昨年デビュー25周年を迎えたV6が、今年の11月1日をもって解散することがわかった。この突然の発表を、ファンたちはどう受け止めたのか。1997年からV6を追い続け、過去には1つのツアーの全公演を見に行く“全ステ”をしたこともあるという、トニセン世代のいちファンが解散への思いを綴った。
◆ ◆ ◆
2021年3月12日(金)15時36分。スマホに届いたメールには「ファンの皆様へのお知らせ」と書かれていた。約30分後、16時から“大切なお知らせ”があるらしい――。
この時、23年以上V6のファンを続けている私の頭をよぎったのは、「結婚」と「解散」の2つだった。しかし、メンバーの中で結婚していない2人は現在、ともに舞台の真っ只中だ。三宅健さんは「藪原検校」の、坂本昌行さんは「OSLO」の公演中であり、プロ意識の高い2人から、このタイミングでの結婚発表はないだろう。そうなると「解散」しかないんだろうと察した。
メンバーが口にしていた「限界」という言葉
2020年9月、NHKの「SONGS」にて岡田准一さんはこう言った。「抜けても頑張っている後輩くんたち沢山いるから発言は難しいけど、俺ら1人でも抜けたらV6はないってそれ(思い)が強い。みんなの幸せ願えるようになるじゃない? 年を重ねて10年とかじゃない、20年とかこえてくると」。この発言ゆえに、誰かひとりの脱退はない、ということが私の頭の中には大前提としてあった。
また、25周年を迎えた2020年11月1日に行われた配信ライブのクオリティの高さは、長年V6のコンサートを見てきた私も唸るほどで、どこか“やり切った感”を感じるほどだった。実際、その裏側を撮影し、今年2月17日に発売されたBlu-rayの特典映像の中では、森田剛さんと岡田准一さんが「限界を感じた」と口にしていた。
こうした記憶が頭の中を駆け巡り、ファンクラブでの発表の5分前には「解散なんだろう」という予感が、確信に変わっていた。
20周年ツアーの挨拶で……
1995年9月4日にV6は結成され、同年11月1日にCDデビューした。バレーボールワールドカップのイメージキャラクターとして、試合前にコート内で歌い踊るアイドルグループとして彼らは誕生した。のちに20th Century(以下トニセン。坂本、長野、井ノ原)はラジオなどで「1年で終わると思ってた」という発言をたびたびしている。同じグループ内で、もう1つのComing Century(以下カミセン。森田、三宅、岡田)と2つに分かれているという珍しい構成のV6は、紆余曲折がありながらも10年、20年と歩んできた。
そして2015年に行われた20周年のコンサートツアー最終日。リーダーの坂本昌行さんは本編最後の挨拶でこう紡いだ。