CS地元開催をかけたロッテとのカード

 10月4日の千葉ロッテマリーンズとの23回戦、延長12回の死闘の末、1−1の引き分けに終わった。すなわち我が東北楽天ゴールデンイーグルスの3位が確定し、「CSを東北で」は夢と終わった。しかし、場所は違っても埼玉西武ライオンズにもう一度挑戦できるのだから、落ち込むなんて贅沢な話、あらためて応援させてもらえる喜びにワクワクしている。

 さて、9月30日、10月1日の千葉ロッテマリーンズとの2連戦、野球ファンとして非常に勉強になり、単純な事だけど一番大切な事を教えてもらった気がする。忘れてはいけないと思うのでここに書いておきたい。

 まず30日の先発は塩見貴洋、前回登板ではホークス相手に5回1/3を投げて被安打2、失点1の好投をみせていた。しかもこの日は相手の守備の乱れやラッキーも重なり序盤に2点を先制、勝ちゲームの匂いが球場中に漂っていたのもつかの間、2点リードの3回に伏兵大嶺翔太選手に同点ツーランを浴びると、6回、8回にはペーニャ選手の、その球そこまで飛ばすか? の犠牲フライ&ホームランで2点差をつけられ、8回裏ツーアウトから聖澤涼選手のタイムリーで1点返すも、僅かに及ばず4−3で敗れた。しかしながらライオンズも敗れた事でゲーム差は変わらず翌日の試合に挑めた。

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盛り上がりが最高潮に達したマリーンズファン

 そして迎えた2戦目も先発辛島航の好投のおかげで1点を争う好ゲームとなり、1点リードし9回へ、もちろん絶対的守護神の松井裕樹投手がマウンドへ向かった。

 先頭の清田育宏選手がツーベースを放ち、マリーンズファンが盛り上がる、しかし続く中村奨吾、鈴木大地を抑え、ツーアウトランナー二塁。この日バッティングのよかった田村龍弘との勝負はなんとなく避け、7回から守備固めで出場していたこの日初打席の高濱卓也との勝負を選んだのは大正解だっただろう。案の定ノーボールツーストライクと追い込み、正直僕自身も三振ゲームセットをうっすら夢みてしまっていた。しかし粘る高濱選手は9球目を見極めフォアボールを選び、マリーンズファンの大歓声が球場に響きだした。

 そしてツーアウト満塁で迎えるは、前日にホームランを含む3安打で大活躍した大嶺選手、しかしこの日は力みもあったのか変化球を引っかけまくり3打席連続内野ゴロ、逆方向を意識していた前日とは別人のバッティングだった。またノーボールツーストライクと追い込むも、マリーンズファンのボルテージは最高潮に達していき、「オオオオオ~オ、オオオオオ~燃え上がれ×2、勝利をつかみとれ~!」チャンステーマがライトスタンドから球場中に響き渡る。

「キーン!」

 チェンジアップが高めに入ってしまった。走者一掃のタイムリーツーベース。

 試合はその後1点追加され5−2で敗れてしまい、結局マリーンズに連敗してしまった。

ロッテ戦で逆転打を打たれた松井裕樹 ©時事通信社