3月18日に発売されるや、話題沸騰中の内田也哉子さんと中野信子さんの共著『なんで家族を続けるの?』(文春新書)。刊行を記念して、本書の第一章のもとになっている2020年1月14日の、2人の公開対談を再掲載します。(全3回中の3回目。#1、#2を読む)
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『週刊文春WOMAN』創刊1周年を記念して、2021年1月14日に開かれた「週刊文春WOMAN meets 樹木希林展 内田也哉子×中野信子トークイベント What is a family!?」は、最後のQ&Aコーナーに。
フロアの『週刊文春WOMAN』読者から「内田裕也さんと本木雅弘さんの差異ってなんですか?」と質問された内田也哉子さん。実は、本木雅弘さんに同じ質問をしたことがあった。本木さんの見事な分析とは──。
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少年時代の内田裕也はロールシャッハ・テストを受けていた
内田 話は飛んじゃいますけど、父自身は小さいとき、欲しいものが手に入らないと床に寝っ転がってワーッと泣き叫んだり、思春期はケンカして手に負えなかったりしたんですって。四人兄弟の末っ子で、祖母が40歳のときに生まれた子どもでしたから、溺愛されて育ったんですね。でもあまりにも手に負えないものだから、ある日、脳病院に連れていかれたんですって。「俺はロールシャッハの絵を見せられて、『何に見えるか』って聞かれたんだぞ。この気持ちがわかるか!」って、父は酔っぱらうとよく話していたんです。
中野 そうなんですか。ロールシャッハ、今ではあまりやらないテストです。
内田 そうですよね。だけど、祖母としては、裕也が手に負えないから、何とかして診断名が欲しかったんだと思うんですよね。
中野 なるほどな~。
内田 やっぱり人間ってわからないものがほとんどなんだけれども、でも、どこかでずっとわからない不安を抱えているという恐怖もあって。
中野 そうですよね。裕也さん、もしかしたら確かに、今なら診断名がつくかもしれません。
内田 そういうふうに診断がついて、ホッとするところがありますよね。人間ってそういう部分もありますよね。
中野 腑に落ちると楽になるということですよね。
内田 そうそう。あ、何か忍び寄ってきた気配……。
愛人、不倫に親和的!?な内田裕也
(そろそろと司会者が登壇)
司会 とてもいいお話のところ、すみません。そろそろ質疑応答に移らせていただくお時間です。『週刊文春WOMAN』の読者で今日こちらにお越しの方々から、お二人に質問をお寄せいただいていまして、お時間の許す限り答えていただければと思いまして。
まず、ペンネーム「みそきち」さんからです。みそきちさん、いらっしゃいますか? ペンネームなので手は挙げられないですかね。非常に攻めている感じの、さすが『週刊文春WOMAN』読者ならではの質問が来ています。
「家族にとっての愛人、不倫ってどんなものでしょう。内田さんに質問。愛人、不倫に親和的な裕也さんと、それとは遠そうな本木さんの間の差異は何ですか? 中野先生に質問。愛人にしかなれない人と妻や母(夫や父)にもなれる人の境界って何ですか?」