昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

巨人の“眠れる主砲”岡本和真 苦境脱出のヒントは広島の4番・鈴木誠也にあり!

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/04/23

 今日23日~25日にかけて、広島との3連戦がある。巨人のローテーションは菅野智之、戸郷翔征、今村信貴の3人で、前回のマツダスタジアムで対戦した時と変わらないだろう。

 前回の広島3連戦で、巨人は負け越した。だが、チーム全体の調子は間違いなく上がっている。球団ワーストとなる12試合連続3得点以下の悪い流れも、このカード3戦目でストップ。さらにここから6連勝と無敗で1週間を終えた。

 私は今シーズンの巨人が、阪神、広島との優勝争いを展開していくと予想している。シーズンが開幕して間もない4月、しかも調子の上がり目の時期に阪神、広島との対戦カードが並ぶ1週間は見所が盛り沢山だ。現在の巨人打線は、開幕当初より上がり目が見えてきた。チームリーダーの坂本勇人、昨シーズンブレイクした松原聖弥、トレード加入した廣岡大志、香月一也。看板選手や好調な若手の活躍がプラス要因になっている。

 そんななか、4番に座る岡本和真は開幕から一貫して苦しみ続けている。

開幕から56打席目で待望の今季1号を放った岡本和真

苦境を脱するためのヒントを持った打者がカープにいる

 一軍定着後で、一番良くない状態と言っても過言ではない。現在の岡本は、テイクバックで深く捻りすぎるぐらいの打撃スタイルだ。同様のタイプは坂本をはじめ多くの選手が活躍しているが、岡本の場合はキャリアの中でもかなり苦しんでいる。

 このことから、攻守にわたり焦りも見られる。この調子のままシーズンを戦い抜くと仮定すると、打率は2割台前半から中盤、本塁打も20本台に留まってしまうのではないか。ただ、阪神との3連戦では、復調の兆しを見せていることから、上記の予想を覆すことに期待だ。

 昨シーズンは、本塁打王と打点王の二冠王に輝いた。しかし、昨年の成績では球界トップクラスの成績を求められる「巨人軍の4番」として見ると物足りない。その実績に甘んじることなく、3割40本塁打100打点をコンスタントに残せる選手にならなければいけない。それが、「巨人軍の4番」や「主砲・岡本和真」として求められるレベルである。

 岡本が苦境を脱却するヒントを持っているかもしれない打者が、実は対戦相手にいる。広島の4番に座る鈴木誠也だ。

 今の鈴木はリーグトップクラスどころか、NPBトップの打者と言っても過言ではない。

 昨シーズン、鈴木は思うようなパフォーマンスを残せなかった。しかし、最終戦で帳尻を合わせるかのように、キャリアで5年連続となる3割に乗せてみせた。さらに、5年連続でOPS.900以上(1.000以上は3回)を記録していることも、頭ひとつ抜けている証だ。

 率を残しながらも本塁打を量産できる。それは岡本が目指すべき打者像ではないか。鈴木がそんな打者に成長できた要因はどこにあるのか。その一因は、若手時代から長年自主トレを共にしてきた、内川聖一にあると見ている。

 内川との自主トレでの学びがあったからこそ、鈴木は主砲として状況に応じたシャープな打撃や、球界屈指の長打力を兼ね備えた打者になれたのだろう。