桜花賞で圧勝「漫画だとしてもでき過ぎだ」
2020年7月に7頭立ての3番人気だったデビュー戦で勝利し、白毛として史上初の芝の新馬勝ちを記録すると、続く札幌2歳ステークス(G3)では白毛初の芝重賞制覇。3戦目のアルテミスステークス(G3)も制すと、1番人気に推された12月の阪神ジュベナイルフィリーズを鼻差で勝って世界初の白毛G1馬となり、同時に無傷の4連勝も達成。
そして迎えた5戦目、桜花賞の結果は御存知の通り。好位から抜け出し、追いこんでくる馬を抑え切るというデビュー以来のレーススタイルでの快勝だった。
「無敗のG1馬ですから強いことは確かでしたが、阪神ジュベナイルフィリーズは接戦でしたし、抜けた存在とは思いませんでした。そんな印象を覆すソダシの真のポテンシャルを見せつけられたのが、今年の桜花賞だったのです。白毛で、無敗のまま、初めて出走したクラシックを、1分31秒1というとんでもないコースレコードで勝ってしまった。漫画だとしてもでき過ぎだ、あるわけないと笑われてしまうような、奇跡とも言うべき話です。それが現実に起こったのは、何を置いてもオーナーの熱意の賜物でしょう」(岡山氏)
これほどの強さを持つ白毛は海外でも例がないため、すでに世界の競馬界でソダシの名は知れ渡っているという。
ぬいぐるみが6分で完売、次の照準は?
もちろん日本での人気も絶大。桜花賞直前の9日には、公式グッズとしてソダシのぬいぐるみが売り出された。2歳G1を勝ったばかりでぬいぐるみが作成されること自体、異例のこと。だが一人につき1個の購入制限が設けられていたにもかかわらず、発売から6分で予定個数が完売してしまった。
そして桜花賞後には、こんな反応も。
「ソダシの記録的勝利はニッカン紙面でもかなりのスペースを割いて報じたのですが、読者の皆さんからの『大きく扱ってくれてありがとう』といった声がいくつも寄せられました」(岡山氏)
当のソダシ陣営は人気に奢ることも、クラシックを初制覇しただけで満足するつもりもない。すでに5月23日のオークスに照準を定めているという。
それどころか実は同30日に開催される日本ダービーにも、ソダシは登録されているのである。そちらに出走する可能性も、決してゼロではない。
もしオークスをスキップしてダービーに出場し、並み居る牡馬を抑えて白毛の牝馬が優勝するようなことがあれば、眩いばかりの『輝き』が放たれるはずだ。