「B子は、幼なじみのC子にも話を持ちかけ、C子も同じように不正受給に手を染めました。さらにB子、C子とのランチ会に参加したD子も、2人から『金が手に入る』と誘われます。不安に思ったD子は、『捕まらないか』と聞いたようですが、2人から『ちゃんとしている』と言われたので、話に乗せられて不正受給をしてしまいました」(捜査関係者)
総額3億円を不正受給した“口コミ”の威力
主婦から主婦へと“口コミ”のようにあっという間に広がっていった給付金の不正受給。府警が平川被告の自宅などを捜索したところ、200人分以上の個人情報記録が発見され、不正に受給した金額は3億円に上るとみられている。なぜここまで広がったのか。
「手口としては、昔からある『マルチ商法』や『ねずみ講』とそっくりです。知り合いを紹介していく中で、平川グループに収める『手数料』とは別に、『紹介料』として数万円をちゃっかり手に入れていた主婦もいたようで、話を持ちかければ持ちかけるほど、自分にとっても得なシステムになっていったのではないでしょうか」(前出・全国紙社会部記者)
「バレないだろう」という気持ちで不正受給に手を染めてしまった主婦たち。しかし、警察の捜査であえなく不正が発覚。取り調べを受けることになった。
「不正に関わった主婦たちは、素直に取り調べに応じているようです。今後、逮捕まではされないにせよ、任意で書類送検される可能性があります。
一度犯罪に手を染めると、それをきっかけに、より悪質な犯罪へと巻き込まれていくケースは多く見られます。また、今回のように大量に集められた主婦らの個人情報が『裏社会』へと流れ、別の犯罪に悪用されるおそれもあります。安易な動機とはいえ、犯罪に手を染めた代償はあまりに大きい」(同前)
これまで犯罪とは無縁だった主婦たちが安易な動機で犯罪に加担してしまった。新型コロナは、一般の人たちの倫理観まで揺るがしてしまっているのだろうか。