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 この日の旭川の気温はマイナス17度。凍てつく寒さの中、爽彩さんは薄着で夜の公園へと出向いた。彼女の遺体が発見されたのは、それから38日経った3月23日のことである。

イジメがあった公園 ©文藝春秋

 前出のaさんは「彼女はずっと苦しんで耐えてきたんです」と、絞り出すように答えた。

家族は「イジメのない世の中になることを切に願う」

 今年4月22日、旭川市の西川将人市長は総合教育会議を開き、2019年当時は「イジメはなかった」としていたY中学校の調査結果を見直し、改めて、当時「イジメがあったのかどうか」再調査すると記者団に発表した。西川市長は教育長に旭川市教育委員会とY中学校側の対応を改めて調査するよう指示。医師や臨床心理士、弁護士らに委託して、第三者で作るいじめ防止等対策委員会を設置し、調査を開始する方針を示した。

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会議を終え、取材に答える北海道旭川市の西川将人市長(右)と黒蕨真一教育長=22日午後、旭川市役所

 爽彩さんの家族は、旭川市の発表を受けて、次のようにコメントを出した。

「娘はわずか14年という短い人生に幕を閉じました。娘は生前、勉強したり、絵を描いたりすることが大好きな子でした。中学1年生の頃イジメに悩まされながらも必死で生きてきました。家族としては、旭川市の調査が進み、これまで明らかにされなかった情報が開示され、真相が一刻も早く究明されることを願っております。そして何よりもイジメのない世の中になることを切に願います」

 市の調査によってイジメの全容が解明され、二度とこのような悲しい事件が起きないよう、行政の誠実な対応を待ちたい。

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「文春オンライン」では、旭川イジメ問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。

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