登板日の前夜に缶ビールを1本飲んでリラックス――。

 そんなルーティンで好投を続けるのが、西武のエース高橋光成投手だ。同僚の平井克典投手が社会人のホンダ鈴鹿時代から続ける験担ぎを教わり、高橋も昨季から実践するようになったという。

 高橋は開幕から負けなしの5連勝。平井もここまで3勝2敗(いずれも5月28日の試合前まで)とまずまずの成績で、「ビール効果」は表れているようだ。

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 お酒が好きでも先発する前日は飲まない、という選手が多い中で、「前夜のビール」っておもしろい。しかも、平井投手は普段、そこまでお酒を飲むタイプでもないという。それなのに。

 実際、大事な試合の前日にビールってどうなの?

 筆者の私自身、最近はビールの奥深さに魅了されている。ここはひとつ、「日本で最も多くのビールを飲んでいる」と言われる男に聞いてみよう。まして、その男は大のライオンズファン。この企画をお願いするにはうってつけの人物だ。

高橋光成(左)と平井克典(右)

勝ち頭を支える「ホップの効用」

 東京・代々木駅近くのビアバー「Watering Hole」にその男はいる。国内外のクラフトビールが楽しめるこのお店の店長、林ゆうやさん(38)だ。これまで飲んだビールの銘柄は、約1万3000種というから驚きだ。

「知ってますよ! 光成投手と平井投手でしょ! おれ、光成投手が一番好きなんですよ。小さい頃から西口(文也)投手が大好きで。その背番号13を受け継いで……」

 さすがは大のレオ党。よく見ると、マスクにも「ライオン」のマークが。企画を説明するなり、フルスロットルで語り始めた。2人のルーティンはすでに報道でチェック済み。そして、その効用についても教えてくれた。

「Watering Hole」店長、林ゆうやさん ©山口史朗

「ビールは醸造酒で、ポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があるので老化防止、疲労回復に効果があります」

 さらには、ビールに含まれる「ホップ」には「リラックス効果」がある、とも。

 実際、高橋はビールを飲む効果について、こう説明している。

「リラックスして試合に入れるような気がします。前日になると構えちゃうじゃないですか。そこでビール1杯飲んでリラックス」

 まさに、これがホップの効用ということか。