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「大学院教授g氏」が候補者リストに

 遺族側がこの2人のメンバー入りを問題視したのは、彼らが完全な「第三者」とは言えないからだ。

 まず、臨床心理士のf氏については、2019年6月に爽彩さんがウッペツ川へ飛び込んだ事件直後に搬送された旭川市内にあるA病院の臨床心理士でもある。

ウッペツ川 ©文藝春秋

「遺族側は、f氏は、爽彩さんを診断した医師とは別ではあるものの、同じA病院勤務であることから、第三者の立場で調査に当たることは難しいのではないかと疑問を呈したようです」(前出・旭川市役所関係者)

 さらに遺族側が「著しく公平さを欠く人選」として異議を唱えたしたのが、大学院教授g氏が候補者リストに入っていたことだった。g氏は第三者委員会のとりまとめ役を担う予定とされていた。

g氏は「学校人事を牛耳る最大派閥出身」

「g氏は過去に旭川市内の小学校の校長を務めたことがある人物です。校長退任後は、北海道教育庁で長年、イジメ問題や自殺、生徒指導などに携わってきました。しかし、2019年当時、爽彩さんが凄惨なイジメを受けていたにもかかわらず『イジメとして認識はしていない』と判断し、保護者会に弁護士の同席を求めた被害者側の要望を拒絶したY中学校校長とg氏は北海道教育大学旭川校の同窓生でもあります。

亡くなった公園に置かれた献花 ©文藝春秋

 旭川市内の学校の元校長という同じ立場を経験しており、さらに北海道教育大学旭川校の同窓生という間柄で、果たして中立な立場で調査が行えるのか。こうした疑念を遺族側は強く持ったのです」(同前)

 旭川市内の中学校に勤務する現役の教員はこう指摘する。

「旭川市の教員の半数以上はY中学の当時の校長とg氏が卒業した北海道教育大学旭川校の出身といえます。同大学のOB会は市内の小中学校の人事を牛耳っている最大派閥です。派閥内の繋がりや結束は強く、同じ派閥内の人物が第三者委員会に入った場合、何らかの忖度が働かない調査などできるはずがありません。私がこれまで勤務したことのある学校の校長の8割が北海道教育大学旭川校出身でした。管理職を目指す教員や出世願望のある教員は先輩OBの言うなりで、逆らうことなど一切できる環境ではありません」