コロナ禍で「見知らぬ土地」を旅行する機会はめっきり減ってしまったが、旅先では「どこにトイレがあるか」は切実な問題である。慣れない町を歩く途中で急な腹痛に襲われた際、その存在を近くで見つけて、どんな観光ガイドよりも安心感を覚えたという人もいるはずだ。

 そんな「まさかこんなところにも……」と驚くような場所にある「ナゾのトイレ」について、『何度でも行きたい世界のトイレ』(ロンリープラネット編・中島由華訳)より一部を抜粋して引用する。(全2回の2回目/前編を読む)

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あまりにも開放的な「砂漠のトイレ」

砂漠のトイレ(@ボリビア)© Robert Downie / 500px

 シロリ砂漠の中心部にあるこの野外トイレでは、体裁やプライバシーや人目など気にしなくてもいい。順番待ちの列ができることはけっしてないのだ。隣国チリのアタカマ砂漠につながるシロリ砂漠は、アルボル・デ・ピエドラ(石の木)などの風化した岩で有名である。

島唯一のトイレ? これはむしろ「トイレの島」?

トイレの島(@ベリーズ)© Tomas Mahring

 ロビンソン・クルーソーがうらやましがりそうである。カリブ海のプラセンシア沖に浮かぶ楽園のようなこの島には水洗トイレがあるのだ。漂着したこの島で王、もしくは女王になった者は、領土の全体をこのトイレから見わたせる。ただし、トイレットペーパーが切れてしまったら、近くには買いにいける店がない。