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「カワイイ」と思う気持ちは万国共通

 サンリオの前身となる「山梨シルクセンター」が起ち上がったのは、高度経済成長が始まらんとしていた1960年のこと。そのとき創業者は、こう見通した。

「これからは実用品だけでなく、人々の余暇や遊び心に寄与する商品が求められるはず。ならば、かわいさや感動をもたらすモノやサービスを提供していくことにしよう」

 

 ここで「カッコいい」や「センスいい」ではなく、「かわいさ」に目をつけているのがポイントだ。「カワイイ」にマトを絞ったのは、それこそが万人の感情を揺さぶるものだとの確信があったから。

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 というのも、センスの良し悪しなどの判断には文化や個人差が反映される。つまり人・地域・時代によって変化しブレる可能性がある。それに対して、たとえば子犬や子どもをカワイイと思う気持ちは、万国共通に違いない。時代や状況にかかわらず誰の気持ちもやさしくするもの、すなわち「カワイイ」を提供していこう、サンリオは創業時に明確に定めたのだった。