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サンリオ流「カワイイ」のつくり方とは

 以来60年にわたりサンリオは、文具やギフト商品などを通して450以上のキャラクターを展開させてきた。それらキャラクターに「カワイイ」をどう落とし込み商品化するかについては、いくつもの方法が編み出された。

 代々受け継がれる「カワイイのつくり方」の常道は、比較を用いること。マルと三角ならどちらがカワイイか? マルだ。では赤いマルと黒いマルはどちらがカワイイ? 赤い丸だ。ならば赤い丸は大きいほうがいいか小さいほうがいいか……。単純な比較を積み上げて、キャラクターのカタチをよりかわいくつくり上げていく。

gagaPlush Dress

 またキャラクターは、誰でも描けるくらいにシンプルなほうが親近感は増す。そこで、太い輪郭線を用いてシンプルにデザインをするのも基本ルールとなった。

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 そうしたサンリオ流キャラクターデザインの象徴は、やはりハローキティだ。なにしろキティちゃんは、クチまで省略されている。そのシンプルなデザインが、見る側の自在な感情移入を可能にする。こちらが楽しいときには笑った顔に見え、悲しいときには泣いているようにも思えるといった具合に、人の心情を映す鏡としてキャラクターが見事に機能しているのである。

 

 展覧会会場では、サンリオの人気キャラクターたちが続々と紹介されていくほか、サンリオという組織が歩んできた歴史とその思想もすっかり明らかにしてある。情報発信やコミュニケーションの場として発行が続けられてきた「いちご新聞」の中身もたっぷり見られて興味深い。昨今流行している「ファン・コミュニティ」の形成をいち早く手がけていたことがよくわかる。

「カワイイ」が人の心を捉えて離さぬ理由、しかと確かめてみたい。