当初、裁判について発信する意図はなかった
――5月10日に裁判についての報道が初めてありましたが、発信する意図はもともとありましたか。
猪狩 当初は全く意図してなかったので、ニュースが出たときは物凄く驚きました。エーッ、みたいな。
――では、記事を見て初めて、ニュースになっていることを知った?
猪狩 そうなんです。姉からLINEニュースのスクショが送られてきて、ビックリ、という感じです。
――そういった中でこの取材を受けて下さったのは何故ですか。
猪狩 表に出てしまったものは、出てしまったので。だとしたら、私の思いをちゃんと出していただけるのはありがたいことだと思い、お受けしました。
勝訴したとしても、脚が戻るわけではない
――国との裁判を進めるにあたり「ファンは訴訟をどのように捉えるのだろうか」といった不安はありましたか。
猪狩 そこは全く無かったですね。別に悪いことをしているわけでもないですし、正当な権利があってやっていることなので。
先ほども言った通り、一部からは厳しい意見もありましたが、基本的には「批判も覚悟の上でのことだったんだろうから、応援してます」といった声が多いです。
――なるほど。今後、裁判の内容をご自身で発信していく予定はありますか。
猪狩 今回ニュースになったということは、今後進展があれば、その際にも報道があるのだろう、と思っています。裁判ではあきらかにできないこともあるので、できるだけ取材には協力したいです。
――この件で改めて強調しておきたい点は?
猪狩 仮に勝訴して賠償金が支払われたとしても、自分の脚が戻るわけではありません。
今回の裁判の一番の目的は、今後、同様の事故が起こるのを防ぐことです。これをきっかけに、施設管理に対する国の意識がちゃんとしたものに変わってほしい。管理不足による防げたかもしれない事故はあちこちで起きていますが、本当になくしていってほしいですね。
コロナ禍の中、手に入れたチャンス
――前回お話を聞いてから半年以上が経ちますが、コロナ禍による「仮面女子」卒業の延期にデビュー7周年、そして仮面女子1stアルバム(『MASK A RAID』)の発売と、たくさんの出来事がありました。今のお気持ちは?
猪狩 もしコロナ禍がなければ、きっと私は仮面女子を卒業していて、7周年という日を迎えることも、アルバムに関わることもなかったと思います。そう考えるとコロナ禍も、私にとってはマイナスのことばかりではないな、と感じています。
最近は結構ライブも多くて、今もちょうどリハーサルから抜けて来たところです。