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「ひとつだけ描かないと決めていることがあって…」3児のママ漫画家が“普通の家族”を描いて40万人から支持される理由とは?

2021/06/05
note

フィールドは日常だけど…出てくる話は変!

――しっかりものの長女、マイペースな次女、女の子に弱い長男。そしてなぜかちょっとツイてない残念な旦那さん…確かにキャラが立っています。

三本 分かりやすい「あるあるネタ」で共感してもらうことも大事なんですけど、意外と子どもって本当に突拍子もないことや、発言とかするんですよね。そういう要素を取り上げているつもりなので、フィールドは日常なんですけど、出てくる話は本当に変な話というか(笑)。

――「普通の家族」なのに、出てくるエピソードでは変なことをしている…そのギャップが良かったのかもしれませんね。

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三本 そうですね。あとはインパクトのあるエピソードの作品が好まれる一方で、日々のみんなが暮らす日常を描いているという点では、逆に幅広い方に読んでもらえるのかなと思います。小学校低学年の小さいお子さんから、お爺ちゃん・お婆ちゃんの世代までたくさんメッセージを頂くので。老若男女問わず、家族がいる・いないに関わらず、多くの人に読んで頂けると感じるので、読者の幅は広いのかなと感じています。

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――読者からの声で印象に残っているものはありますか?

三本 特にコロナ禍に入ってからなんですけど、「笑わせてくれてありがとう」とか「ありがとう」という言葉をすごく頂くようになりました。あとは入院中の人への差し入れとか、結婚のお祝いに渡したという声を結構、たくさん頂いています。そういうのはすごくうれしいですし、単純に軽い気持ちで読んでもらえているのがとてもありがたいです。

衝撃的だった長女の「募金詐欺」エピソード

――漫画化した中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

三本 衝撃だったのは、長女が家で募金詐欺を働こうとしたことですね…(笑)。そのエピソードは普通に親として唖然としたんですけど、漫画的な話でいうと100均で買い物した話の回とかは、個人的に構成とか間が「上手く描けたな」というのはあります。とにかくネタありきの作品なので、「これ、ネタになるなぁ」と思った時には子供を泳がせて、観察してメモするという毎日ですね。そういうエピソードをふとした時に思い出して書くという感じです。