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「ネガティブなことは描かない」という決め事

――募金詐欺(笑)。それはなかなかすごい話ですね。逆にこういうことは描かない、と決めていることはありますか?

三本 「ネガティブなことは描かない」というのは決めています。もちろん子育てや、家族の中で大変なこともたくさんあるんです。でも、そこには触れないようにしようと。ネガティブな話って、読んでいてしんどいじゃないですか。あんまり読んでいる方に負荷をかけたくないので、自分の子育てへの悩みとか、そういう大きなテーマのものは書かないようにしています。

 あとは「子育て漫画」にならないように、というのは気にしていますね。子育てに関する自分の考え方とか、教えみたいなものは絶対に描かないように注意しています。この作品は「何も考えずに読める」というのが一番いいのかなと思っているんです。SNSにも掲載しているので、「#子育て漫画」とか自分でつけてはいるんですけど、それはその世代の読者の方が一番入りやすいかなということで。漫画としては「子育て漫画」ではなく「家族漫画」という風に言われたいですね。

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長女からのダメ出しも…「家に編集さんがいる感じ」

――説教臭くなってしまうと良くないのかもしれませんね。ちなみに漫画に関してお子さんたちはどんな感想をもっているんですか?

三本 すごく喜んでくれていて、本が出るとみんな読んでくれています。5歳の末っ子はまだ字が読めないんですけど、それでも自分のことが書かれているのは分かるみたいで。わりと「描いちゃって大丈夫かな…」というエピソードもあるんですけど、それでも笑ってくれるし「これは描かんといて!」と言われることはあんまりなくて。

 ただ、一番上のお姉ちゃんはアニメとか漫画がすごく好きなので、かなりいろんな作品を読むんですよ。なので、最近は私の作品が味気ないのか、ダメ出しとかもするようになってきました。「ここはもうちょっと大ゴマで」とか「新しいことを始めないとダメよ、ママ」って最近めちゃくちゃ言われています(笑)。家に編集さんがいる感じですね。

心を無にして楽に読んでもらいたい

――読者の方に伝えたいメッセージはありますか?

三本 この漫画は「トイレの中で読める漫画」というのを目指しているんです。朝の忙しいトイレの時間に、何となく手に取ってホッとできる時間を与えられる漫画になってほしいというか…。だからあまり何か「メッセージをのこしたい」とかはないんですよね。「家族っていいよ」と大層なことを言いたいわけでもないし、読む方によって感じることも様々だと思うので、とにかく心を無にして楽に読んでもらいたいです。

 しんどい時でも、どんな精神状態の時でも、どこからでも読める――そういう漫画を目指しているので…特に何も残らなくていいですね(笑)。読んで、何となく「面白かった」と思ってもらって、何度も読み返してもらえれば最高だと思います!