10日に公示された衆院選。

 第一声の報道は、スポーツ新聞が写真込みでわかりやすかった。

「安倍首相 ヤジ来ぬ田園で第一声」(サンケイスポーツ 10月11日)

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サンケイスポーツ 10月11日より

のどかな田園風景との落差がうまい紙面構成

 広大な田園をバックに演説する安倍首相の写真はのどか。しかし現場はピリピリムードだったようで……。

《JR福島駅から南西へ約10キロ。稲穂が実るのどかな田園地帯に地元の人の戸惑いの声が響いた。
「何で入ればダメなんだべ?(なぜ入ったらダメなのか)」
 安倍首相の第一声を聞きに来た農業の男性(68)を、自民党関係者が制止。一般市民は、近隣の空き地へ移動させられた。》

 都議選の大ブーイングがトラウマに…という小見出しのほか、サンスポは田園演説の写真に「“こんな人たち対策”一般聴衆は近くの空き地に」、「モリカケ疑惑…実る稲穂とこうべを垂れる……?」と併せ技。のどかな写真があるからこそ、落差がわかる紙面構成。

日刊ゲンダイは「アッキーの日本酒」問題に憤る

 一方、この田園演説で首相が掲げた日本酒に「かみついた」のはタブロイド紙「日刊ゲンダイ」だ。

 ゲンダイによるとこの日本酒「精一杯」は、昭恵夫人が福島復興のNPOと山口県の永山酒造(永山純一郎社長)とを仲介し製造することになったお酒だという。

日刊ゲンダイ 10月12日付より

《「モリカケ疑惑」で、国政の私物化、公私混同、お友達びいきを散々批判されたのに、選挙の第一声で、アッキーの日本酒を大宣伝》

 この男はまだ分かっていないようだ、と憤るゲンダイ師匠。

 それにしても、安倍首相の第一声は「こんな人たち対策」や「お友達披露」と、今年話題のポイントが精一杯入っていたことになる。