「薄利多売」は、お客様に費やす時間を減らしてしまう
もちろん重要なのは、その料金が「またお店に来たい」「やってよかった」と思うボーダーにある事です。そのため、分かりやすいセットメニューにするお店や、お客様が選びやすいような工夫をするお店も多いです。
美容師さんはお客様に奉仕する気持ちの強い方も多く、「安売り」することを肯定してしまいがちです。ですが、美容師業を継続していくためには、美容師が真っ当な収入を得られる料金であることも重要です。
薄利多売すればする程、美容師個人は自身の価値を下げてしまいます。売上を上げるためには数をこなさなければならず、お客様一人一人に費やす時間は減っていきます。
『お客様は神様』のような思想は接客業全般に根深く残っていますが、自己犠牲をする精神で自分が疲弊してしまっては、美容師を続ける事ができなくなってしまいます(詳しくはこちらから)。
どちらも納得できるWin-Winの関係。前述した「時間換算」を高める傾向は、これを改善したい業界の流れだと言えます。
各々にフィットするお店に出会って欲しい
美容室のレベルは料金が高いから最高峰、安いから低レベル、とも言い難いのが現実です。皆様のお察しの通り、美容師個人の「技術」「接客」に関しても、残念ながら必ずしも料金で担保されるものではありません。
クーポンサイトで探した近所の安いお店に行ったものの、オーダー通りに上手くいかなかった。うんと背伸びして都心の高級なお店に行っても、雰囲気に呑まれて疲れてしまった。美容室選びはとても難しいものです。
料金体系に関係なく、ライフスタイルに無理なくフィットする、満足度の高い美容室や美容師さんに出会えれば、それが一番いいと思います。
2021/06/15 00:15…以下内容を修正いたしました。
3P目「美容界では1時間に1000円が定石とされてきました。」→「美容界では10分で1000円が定石とされてきました。」