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前回と微妙に違う金額、ナゾの「◯◯円から」表記…美容師が解説「なぜ美容室の料金はわかりにくいのか」

2021/06/13
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 美容師でしか出来ない、メッシュを入れるカラー(グラデーションカラーやバライヤージュカラー等)や、理想の髪色に仕上げるために薬を何種類も調合したり、複雑な工程を必要とするカラーには、プラスして付加価値を設定していることも多いです。

 トップスタイリスト、ディレクターなどの「指名料」もこれにあたります。料金一覧にも、

 [ 〇〇ディレクター  + ¥△00 ]

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 などの表記があります。

 

 これはその美容師のポジションを表していますが、その地位は『売上をあげている美容師』である証明で、『多くのお客様に支持を得ている』ということです。

 それは「プラスで料金を出す分、満足度も保証しますよ」という、お店のヒット商品の証でもあります。

質はピンキリ、薬剤などの「材料費」

「材料費」は

 美容室用の薬剤を作るメーカーはたくさんあり、薬剤の質もピンキリです。

 ・より安い薬を使って利益を上げる

 ・より質の良い薬を使って満足度を上げる

 そのバランスを取ってそれぞれの美容室は薬剤を選定しています。

 例えば美容室で行うトリートメント(「システムトリートメント」と呼びます)は、松竹梅にランク分けをして用意するお店が多いです。それぞれの髪質に合わせた効果を得るために、システムトリートメントは何種類も用意されています。すると必要な工程、手順の多さが変わるため、先述の「技術料」と後述の「時間換算」も並行して変化します。

 材料費はどこの美容室でも、戴く料金のうちの5~15%ぐらいだと思います。高級な薬剤を使う場合には、別料金を戴くこともめずらしくありません。