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CSを突破するために

社会人との練習試合3試合で打率.750、3本塁打と絶好調の丸佳浩 ©文藝春秋

「1にカープ2にカープ、3・4もカープで5もカープ」というその彼は、丸佳浩の打撃に期待する。今年のカープの勝利には丸の打撃力は欠かせない。CSも間違いなくそうだろう。そんな丸は社会人との練習試合で、3試合連続ホームランを放っており、期待が高まる。

「カープは9人じゃない! 9人プラス、3万人のワシらファンも一緒に戦っとるんじゃ」と目を輝かせるもう一人のおじさんは、CS突破のキーマンに薮田和樹の名前を挙げた。今季、巨人・菅野智之に次ぐリーグ2位の15勝をマークした薮田は、初戦の先発が濃厚だ。JR西日本との練習試合で、6回を91球1失点で乗り切っている。シーズン通りのピッチングができれば心配ない。初戦を勝ち取り、いいスタートを切ってほしいと願う。

今季、チーム最多の15勝をマークした薮田和樹 ©文藝春秋

 足元から肩までひと通り雨に濡れているおじさんたちに「毎日何をしているのですか?」と尋ねると「首脳会議よ!」と笑顔で即答した。雨も寒さも関係なく、常にカープのことだけを考え続けているその充実した表情は、まるで遠足前の子供のようだった。あといくつ寝れば……と、ファイナルステージの開門を待つ熱い男たちの応援が、そしてそれに続くマツダスタジアムの3万人の歓声が、勝利への後押しとなることは間違いないだろう。