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「私の下着を脱がして少女から誘ってきた」女子小学生性暴力事件 50代社長の“反論”は罷り通るのか?

「私の下着を脱がして少女から誘ってきた」女子小学生性暴力事件 50代社長の“反論”は罷り通るのか?

大阪・少女強制性交事件 #5

genre : ニュース, 社会

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「暴力を振るったのは1度しかない。お尻を3回叩いた」

 ヤマモト被告がC子さんから譲り受けた山奥にある“別邸”では、B子ちゃんの情操教育のため、セントバーナードを3匹、小型犬を4匹飼っていたという。夕食は決まってヤマモト被告がつくり、B子ちゃんが小食だったことから、ご飯をよく食べるよう促してもいたとも述べた。B子ちゃんはヤマモト被告のことを「チッチ」と呼び、懐いていたが、「やっぱり所詮他人なので、見えない線があるような感じですね」とヤマモト被告は証言した。

 また、「B子はよく嘘をついていたので、それをたしなめるっていうことがあった」「数えきれないくらい、つかんでもいいようなこと(嘘)は多々あります」「母から頼まれていた用事(洗濯物を取り入れる、お米を研ぐなど)をしていないのに『した』ということはよくあった」「母親はB子が嘘をつくと、まず言葉で『死ね』『消えろ』など怒鳴って、叩いたり、足で蹴とばしていました」とヤマモト被告は答えた。

※写真はイメージ ©️iStock.com

 #2で報じたB子ちゃんの法廷証言や#3で報じたA子さんの法廷証言によると、「ヤマモト被告はB子ちゃんに日常的に暴力を振るっていた」とされたが、ヤマモト被告は、「(暴力を)振るったのは1度しかない」「B子が外食に行った時に食事を残したのに『食べた』と嘘をついた(から叩いた)」「(家に帰ってから)お尻を3回叩いた」「A子から『叩いたったらええ』と言われた」と反論した。

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3つのわいせつ事件全てを否定する証言を行った

 これまでの公判で、検察側はヤマモト被告が所有する和歌山の別荘と大阪の“別邸”、そして沖縄旅行で泊まった高級ホテルで、ヤマモト被告がB子ちゃんに対してわいせつ行為を行ったと主張してきた。だが、ヤマモト被告はこれら3つの事件全てを否定する証言を行った。

 ヤマモト被告はまず和歌山の別荘で起きた事件について証言した。

山奥の別荘 ©️文藝春秋

 当時、B子ちゃんは小学4年生。9月のある土曜日のお昼ごろ、B子ちゃんが別荘にあるジャグジー風呂に1人で入っていたところ、ヤマモト被告が入ってきて脱衣所で口淫をさせられた、とB子ちゃんは4回目の公判で証言している。ヤマモト被告がこの日証言した内容は、以下の通りだ。

「別荘に行く曜日は決まっており、金曜日から行って、2泊3日で帰ってきました。ジャグジーは、到着し次第、金曜の夜、土曜日の夜に入りました。朝方から正午にかけて、このジャグジーを使用することはなかったです。ジャグジーをB子1人で使うことは見たことがありません。(ジャグジーについているお湯焚き機能は複雑でB子は)使えないと思う。また、ジャグジーには蜘蛛、ムカデがよく出たから、B子は虫を怖がって1人で入れなかった」(ヤマモト被告の証言要旨)

 さらに、被告弁護人は、当時ジャグジー風呂付近のウッドデッキは工事中であったと写真と共に指摘し、B子ちゃんがわいせつ被害を受けたと主張する昼間の時間帯には、工事業者がいた可能性も示唆した。 

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