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『とんねるずのみなさんのおかげです』のコントが好きだった

―― そういうアイドルとかに興味は?

小林 全然行かなかったですね。『金八先生』もたまに見るくらいで、そんなにはちゃんと見てなかったです。

―― そういう、普通のと言ったら語弊がありますけど、現代的なドラマは?

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小林 全然見てないですね。

―― バラエティー番組は?

小林 ドリフが大好きでしたね。土曜日は『8時だョ!全員集合』があって、終わると『Gメン』が始まるという黄金の枠があって。

―― ああ、続いていたんですね!

小林 高校生とかになると『とんねるずのみなさんのおかげです』が始まって、好きで見てました。

 

―― バラエティー番組はどういうところが好きでしたか?

小林 コントが好きでしたね。今もそうなんですけど、ひな壇に芸人さんが居てフリートークでっていうんじゃなくて、昔って結構作り込んだコントがあって。ドリフもとんねるずもそういうのが好きでした。あとは、ちょうど宮沢りえちゃんがCMでデビューした時期で、ああいう豪華ゲストが一緒にコントをやるっていうのがすごい面白くて。キャラが大好きでしたね。

『必殺仕事人』を録音して、書き起こしてわかったこと

―― クラスではどういう立ち位置でしたか? 

小林 マイペースだったかもしれないですね。あんまり群れなかったかもしれない。遊ぶ時はみんなで遊ぶんですけど、登下校は絶対1人でしたいっていうタイプで。トイレも絶対1人で行くみたいな。

―― なんで1人が良かったんですか? 

小林 ずっと考えながら、いろいろ想像するのが好きで、それを邪魔されたくなかったんです。

―― 授業中は?

小林 授業聞いてなかったんですよね(笑)。ノートにセリフを書いたりしてました。

―― それはどういうセリフなんですか?

小林 『Gメン』の刑事のセリフだとか、ヒーローとかの、好きなキャラのセリフですね。

―― それは自分で考えて? 

小林 キャラが言いそうなセリフを掛け合いで考えて。で、キャラ同士でしゃべってそうな、ちょっとかっこよさげなセリフを書いてましたね。

藤田まこと ©山田高央/文藝春秋

―― それってキャラクターに惹かれているんですか? それとも、その関係性に惹かれているんですか?

小林 世界観じゃないですかね。刑事なら拳銃を撃つ、危険と隣り合わせとか、そういうもの全般で。

―― 時代劇とか刑事ドラマとか見る時って、繰り返し見るほうですか?

小林 そうですね。でも、私が初めてビデオを買ったのは就職してからなので録画機器が当時まだなくて。なので、テープレコーダーで音を録ったりしてました。

―― それを聞き直す?

小林 聞き直してセリフを書き起こしたりとかして。その当時は『必殺仕事人』シリーズに夢中になってたので、『仕事人』をワンシーズン全部書き起こしました。テープは使い回しなんですけど、そのたびにセリフ全部書き起こして、あらすじとセリフと、あと、何人殺したかみたいな。

―― データを取って(笑)。 

小林 そしたら、書き起こした範囲ではですが、中村主水(藤田まこと)が女を一人も殺してないことに気づいたりとか。

―― ええ、そうなんだ! もう研究ですね。

小林 そうですね。あれもすごくブームになった時があって、三田村邦彦さんとかが出たときに、若い子にも人気が出て。なので、その頃に夢中になってた感じですね。当時は大阪にいたので、南座に舞台を見に行って。京本政樹さんもレギュラーで出てらしたんですよ。何回か行って、帰ってきてからその舞台を全部書き起こして。

―― やっぱり書き起こすんですか!

小林 なんか記録に残したいという思いがあったんでしょうね。今じゃ考えられないんですけど、全部覚えてるんです。一字一句じゃないんですけど、展開とセリフを。

―― すごい! じゃあ、知らず知らずにシナリオを書くトレーニングみたいになっていたんですか。

小林 そうですね。新展開のリズムとか。