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京王&小田急線“ナゾの途中駅”「多摩センター」には何がある?

2021/06/28

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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 いきなり私事で恐縮だが、筆者は東京の多摩地区、府中市に住んでいる。なので、京王線には馴染みがあるし、その京王線が通っている多摩センターもなんとなく知ったようなつもりになっていた。だから、文春オンラインでもわざわざ取り上げようという気にはならなかった。

 ところが、担当編集が言うのだ。「多摩センターってしばしば聞くけど、何があるんですかね」。確かに、言われてみると知ったようなつもりになっていただけで、実際にはたぶん多摩センター駅に行ったことは数えるほどしかない。たぶん、というからにはその時の記憶も曖昧である。だから多摩センターに何があるのか、ご指摘の通りよく知らない。となれば、行かねばならぬ。編集の言葉に押されながら、京王線で新宿方面に向かって調布駅でお乗り換え、相模原線に乗って京王多摩センター駅を目指した。

「多摩センター」には何がある?

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京王と小田急が仲良く並んでたどり着く「多摩センター」

 京王相模原線は多摩川を渡って京王稲田堤駅でJR南武線と接続(といっても駅は互いにちょっと離れているので5分少々歩かねばならない)。そこからよみうりランドを経て丘陵地に突入し、車窓に見えてくるのは山並みを切り開いて整然と住宅が建ち並ぶニュータウン。左側から小田急多摩線の線路が近づいてきて、並んで走って2つ目の駅が、京王多摩センター駅である。

今回の路線図。「多摩センター」には京王と小田急が並び、モノレールも走っている

 このように、京王と小田急が仲良く並んでたどり着く多摩センター駅。どちらも高架で北側が京王、南側が小田急である。そしてどちらも最終的には新宿に通じている。いったい両者の間でどんな棲み分けがなされているのかは少し気になるところだ。

天井を見上げてみるとそこには…

 そう思いながら京王線の電車から降りてホームに立ってあたりを見渡してみる。小田急のホームも並んでいるのでよく見える。まずは駅名標の写真でも撮りますかね……と、天井からぶら下がる駅名標を見上げてみるとそこには……。

京王と小田急は仲良く並んでたどり着く

 そう、多摩センター、あのサンリオピューロランドの最寄り駅なのだ。そのおかげで、駅名標から駅の階段、コンコース、あちこちにサンリオのキャラクターがちりばめられているのだ。それは駅を出ても変わらず。駅前の大通りに通じる階段にもキャラクター。どこを見たって、サンリオワールドが展開されているのが多摩センターの駅なのだ。東京ディズニーランドのあるJR京葉線舞浜駅には“隠れミッキー”が潜んでいるという話を聞いたことがあるが、多摩センター駅のキティとその仲間たちはまったく隠れる気がないらしい。

 

 いずれにしても、多摩センター駅をナゾ扱いしてのこのこやってきた筆者や、それを強く勧めてきた編集者はサンリオ好きの皆様からは総スカンに違いない。まあ、おじさんなんてそんな程度のものなので勘弁していただこう。