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前半にラーメントーク、後半にライブ

――カフェではどんな風にライブをやってるんですか?

田中 カフェにちょっとしたスペースを作って、みんなの椅子をそっち向きにして簡単に会場を作ります。最初のうちは、だらだらと話しながら曲を合間に挟んでいたんですけど、そのうち喋りも面白いからもっと聞かせてとリクエストが来るようになって。それで、今のスタイルとしては、前半にラーメンの話を中心にしたトーク、後半にライブ。

――「ラーメントーク&スライドショー&ライブ」と銘打ったスタイルですね。

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田中 はい。散々くだらない話をした後に、新井さんがいい声で歌うという(笑)。この流れ、締まるんですよ、その場が。それで1時間なり2時間なりを、お客さんに楽しく飽きさせないで見せる。もちろん大きなステージでセットを組んで、派手な遊園地みたいにして見せる音楽の楽しさもあるんだろうけど、それとは全然違う、ほんとに近い距離でのライブですね。

田中さんが訪れた店を記録している「ラーメンマップ」。とにかくものすごい数 

――地方にカフェが増えたことで、弾き語りのような身軽な形でライブするミュージシャンも増えてきている実感はありますか?

田中 感じますよ。地方のカフェに行くと、そこに別のカフェの店主が来ていて、そこでまた誘われたりもする。そのつながりが広がって、実際、地方のフェスやイベントも増えていますよね。田舎町でも地元の音楽好きな人が、小さな野外フェスを運営していたりする。そういうところに呼ばれて演奏したりもします。

音楽も「地方の時代」と肌で実感しています

――ノーナ・リーヴスの西寺郷太さんやオリジナル・ラブの田島貴男さんもそういうスタイルで全国のカフェでトークや弾き語りのライブをやっていると聞きました。

田中 新井さんがそういうルートを開拓したんですよね。地方のカフェって、内装も東京のそこらのカフェなんかよりもお洒落なんですよ。家賃が安いので内装に凝れるから。そういうカフェをやってる音楽好きな人が、普段は好きな音楽を店で流して、たまに好きな誰かを呼んでライブをやって、それで年に1回は広場を借りてフェスをやったりする。そこには地元のバンドも仲間だから集まっている。音楽がちゃんと日常に根付いていて、しかもちゃんと格好よくて共感できる感じになっている。だからどこに行っても楽しいですね。地方の時代って言われていますけど、音楽をやっていると、それを肌で実感します。