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「異例の開催」を決めたのは誰でしたっけ?

 ところが有観客をしたかった首相が「無観客も辞さない」と言いだす。「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」みたいな感じです。「よっしゃ、今日は無観客にしといたるわ」。菅首相、面白い。ちなみに都民ファーストは「無免許も辞さない」でしょうか。

 あと会見で言ってた「緊急事態宣言の下で異例の開催となった」というのも面白いです。「異例の開催」ってご自分で決めたのでしょうに。

 まだあります。無観客での五輪開催の意義を問われ「全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信したい」と言っていたのも本当によかった。いつも説明せず答えずに「発信」を問われている方が、全世界に東京から「発信したい」というのです。面白かった。笑うしかない。

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 菅首相一人だけでなく複数でおこなうコントも素晴らしかった。

『菅首相「ヤラセ会見」疑惑 挙手していない記者が指名される“珍事”の目撃証言』(日刊ゲンダイDIGITAL7月9日)では、

《この日はなぜか挙手していない記者が指名され、さらに、その記者が質問を始める前に菅首相が答弁原稿を探し始めるという“珍事”がみられたのだ。》

 とあります。メディアも含めたミニコントも披露されたのです。さらに特筆すべきは産経新聞記者とのやりとりでした。

 産経記者は「7ヶ月後は北京冬季五輪。おそらく中国政府は中国の政治システムがコロナに勝利した証しと宣伝する場としてオリンピックを利用することも考えられる。その前に自由主義国家である日本が五輪を開催することがどのようなメッセージを持つか」と菅首相に質問していました。

「威嚇にもほどがある」というパワーワード

 でも、すでに菅首相や安倍前首相が「コロナに打ち勝った証し」として五輪を政治利用しようとしていたではありませんか。この出オチ質問は素晴らしかった。「劇団スガ」と呼びたい。

「劇団スガ」といえば重要メンバーである閣僚たちもやらかしています。

西村康稔 ©JMPA

 経済再生相の西村さんは休業要請に応じない飲食店に対し、「金融機関からも働きかけをしてほしい」と言った。この発言に対して日経新聞に載っていた経済官庁幹部の言葉が素敵でした。

「威嚇にもほどがある」

 パワーワードです。