昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

カープの守護神・栗林良吏はなぜあんなに帽子を脱ぐのか 気になりすぎて数えた結果…

文春野球コラム フレッシュオールスター2021

※こちらは公募企画「文春野球フレッシュオールスター2021」に届いた原稿のなかから出場権を獲得したコラムです。おもしろいと思ったら文末のHITボタンを押してください。

【出場者プロフィール】ウエハラアズサ(うえはら・あずさ) 広島東洋カープ 44歳。ライター・SNS中の人・ナレーターもするTV番組プロデューサー。カープ偏愛歴は約30年。選手に神対応されると、すぐにその選手の後援会を検索して入会するクセがある。永遠の推し選手は大野豊&達川光男バッテリー。

◆ ◆ ◆

 栗林良吏の髪がペッタリしている。

 栗林といえば、カープのドラフト1位ルーキーであり、いまや押しも押されもせぬ守護神である。6月13日に惜しくも記録は途絶えたものの、それまで開幕から22試合連続無失点。これはNPBの新人記録であり、カープの球団新記録でもある。いろいろ辛い今年のカープにおける、数少ないポジティブ要素、それが栗林良吏なのだ。

 そんな栗林の髪の毛が、疲れたサラリーマンのお父さんのように、妙にペッタリとしている。

 確かに、栗林には初々しさがない。実際、カープのレジェンドOBである黒田博樹氏をして、「風格がある。ルーキーを見ているような感じがしない。成熟したピッチャーに見える」と言わしめている。(※1)軍隊ならば、すでに中将くらいのオーラを身にまとっているのだ、栗林だけに。

 だからといって、齢25にして髪の毛があんなにもペッタリしていて大丈夫だろうか……と心配して見ているうちに、私はあることに気づいた。

 栗林は、ものすごく頻繁に脱帽をするのだ。

 おそらく他の選手も、野球帽の下は、汗も相まってペッタリしているに違いない。だが、ほとんど脱帽しないため、それが露わになることがないのだ。

栗林良吏

映像に映っている脱帽シーンを全てカウントしてみた

 興味本位で、栗林が1試合でどのくらい帽子を脱ぐのか、Jスポーツオンデマンドのアーカイブに残っている彼の登板試合、13試合(2021年6月15日現在)を見て、映像に映っている脱帽シーンを全てカウントしてみた。

 すると、13試合でトータル136回、平均して1試合につき10.5回も帽子を脱いでいたのである。

 クローザーなので各試合ほぼ1回の登板しかないにも関わらず、平均10回強の脱帽。5月8日のバンテリンドームで1度だけ回跨ぎをしたが、その日はなんと、19回も帽子を脱ぐ様子が映像に捉えられていた。

 なお、映像に映っていないところでも脱帽しているはずと、東京ドームで開催された6月19日(土)の対DeNA戦では現地でカウント。2アウトからの登板にも関わらず、栗林はなんと12回も帽子を脱いでいた。なお、この日の球数は13球である。

 ちなみに、同じルーキーでリリーフでも活躍する森浦大輔と大道温貴の脱帽シーンを確認してみると、森浦は、アーカイブに残された11試合中わずか5回の脱帽。大道は、先発転向前の12試合中、帽子を脱いだ回数は16回。1試合平均1.3回だった。このことからも、栗林の脱帽回数は群を抜いていることが分かる。そりゃ髪の毛がペッタリしているような印象も残るわけである。