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残る20点あまりの盗難品の行方は…依然不明

 さらに2月下旬、再度、A氏のもとに警察から連絡が入った。

「私の家から紛失していたグラフの指輪が、都内のブランド品買取店に持ち込まれたということでした。ただ、彼女はその時に身分証明書を持ち合わせておらず、売買は成立しなかったようでした。その後、店側がシリアル番号を確認したところ、被害届が出ている盗品であることが発覚し、通報が入ったようです。店は通常、盗品の買取りはできないということでしたが、再び彼女が店に戻ってきたら、私が買い戻す約束で、買い取ってもらうことになりました」(同前)

国内各所への旅行を繰り返していた水谷容疑者

 彼女はまんまと同店を再訪。A氏宅から持ち出した指輪を95万円で売却したのだった。その際に提示した身分証から、彼女が水谷洋瑛本人であることも確認され、今回の逮捕へとつながった。

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 警察は今なお水谷容疑者への取調べを続けているが、残る20点あまりの盗難品の行方は依然不明なままだ。

 さらにA氏は、自身のほかにも被害者がいる可能性についても指摘する。

新成人代表としいて成人式挨拶も務めていた水谷容疑者

盗難の被害者は他にも…?

「お酒が入ったときに話していたのですが、彼女は私と出会う以前、宮古島にいて、現地の会社経営者の男性の家に居候していたようです。で、その男性のもとを去るときに、スーツケースを開けられ、中身をチェックされたんだとか。今思えばその男性は、彼女の手癖の悪さに気づいていたんでしょう。実際、彼女はその男性から持ち出したというシャネルの時計を持っていました。しかし私が見たところ、それはコピー品でした。事実、彼女がブランド品買取店に持ち込んでも買取を断られたようで、彼女が放置していったその偽時計は今もうちにあります。さらに、名古屋の別の会社経営者の家に寝泊まりしていたこともあったようなのですが、そこでも犯行に及んでいる可能性もあると思います。私と会っていた頃、彼女は三重県桑名市の実家に住んでいたはずなのですが、逮捕時の住所は東京だった。彼女の正体は、『流しのコソ泥』だったということなのでしょうか…」

 逮捕により、インスタグラムで綴られていた「看護師の休日」が虚飾に満ちたものだったことも露見した水谷容疑者。彼女にお似合いだったのは、A氏宅から盗み出した本物のブランド品ではなく、捨て置いたコピー品のほうだったのではなかったか。