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《ソフトボール金メダル獲得》上野由岐子が乗り越えた北京五輪後の「天国と地獄」

「『もうやりきった!』って、燃え尽きてしまった」

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「若い子たちに『オリンピックは、どんなところですか?』と聞かれて…」

「『もうやりきった!』って、燃え尽きてしまった。それからの3年間は『何のためにソフトボールをやっているのか』『五輪は終わったのに』と悩み、まったくモチベーションが上がらなかった。『自分にはソフトボールしかないんだ』と気持ちを切り替えるのに、相当の時間がかかりましたね」

 上野はロンドン五輪をどんな思いで見ているのか。

「テレビで選手の表情を見たり発言を聞いているだけで、『あのプレッシャーわかる』『自分も同じ気持ちだった』と、選手の心境を考えてしまう自分がいますね」

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2021年、アメリカとの決勝戦で力投する上野投手 ©時事通信社

 上野は、五輪を「経験した者にしかわからない最高の舞台」だと言う。

「若い子たちに『オリンピックは、どんなところですか?』と聞かれて『素晴らしいところだよ』『成長できるところだよ』って言うんですが、口で言っても仕方がないんですよね。その舞台がないんですから……」

 この日の市営球場でも「神様、仏様、上野様」と呼ばれた剛速球は健在だった。最高の舞台でそれを披露する日はもう来ないのか。

《ソフトボール金メダル獲得》上野由岐子が乗り越えた北京五輪後の「天国と地獄」

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