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アルコール提供禁止で痛手を負う海の家
「春頃、コロナが落ち着いた時期に組合で話し合って、おそらく大丈夫でしょうということで話が進んだんだけど、結局例年通りというわけにはいかなくなっちゃった。海の家は、年に2カ月間しか営業期間がないなかで、売り上げで一番肝心なお酒が提供できないとなると商売が成り立たないわけですけど、『コロナが広がって大変な世の中になってしまうかもしれない』って言われたら、それに従うしかないですよね」
同店は2年ぶりの営業を決めたが、海水浴場で営業する店舗の数は、コロナ前と比べると全体的に減っているそうだ。
「営業できなかった方は大変気の毒です。けど、お店が密に並ばないぶんスペースに余裕ができて砂浜でもソーシャルディスタンスが取れるようになっているように見えますし、そういう意味では安全に楽しんでいただけるかもしれないですね。今年は天気の良い日が続いて、コロナさえなければ本当にいい夏だっただろうなと悔やまれます」
聞かれたらお酒を出しているのが実情
海水浴場の飲食店を見て回ると、黄金色の液体が入ったカップを手に持ち談笑する客の姿もチラホラ見受けられた。スタッフにアルコール提供について尋ねると、声をワントーン落として答えが返ってきた。
「大々的に宣伝できないので、お客様に聞かれたら案内しています。缶やジョッキで提供するといかにも『飲んでます』って感じになってしまって、藤沢市に苦情が入ったりするので、なるべく目立たないように……。(お酒を)出しちゃいけないっていうのは大前提なんだけど、みんな出しちゃってる状況。なので、少しでも害がないようにって言ったらアレですけど、個々の判断で試行錯誤しながらやってますね」