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 砂浜に目をやってみても、本来禁止のはずのアルコール飲料を持ち込んで飲酒している海水浴客がそこかしこに点在していた。実際のところ、酒類提供や飲酒に関する部分はグレーのようだ。

「泥酔客は入店させない、飲むペースを見て制限をかけるなど、トラブルを起こさないために細心の注意は払っています。例年だと酔っ払った外国人のナンパがひどくて、女の子だけで飲みに来てるグループに店の外から声をかけて連れ出そうとすることもありました。もちろんそういう奴はすぐ出禁にするんですけど、まだ今年はそこまでタチの悪いのは見かけていないですね」

海水浴場の営業時間終了後、アルコールを片手に談笑する男女

コロナ禍ではナンパ事情にも変化あり

 また、勤務中によくナンパされるという別の飲食店の女性スタッフは、例年との客層の違いを感じているという。

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「以前は『乾杯しようよ~』って強引に誘われたり、仕事終わりを狙って出待ちされることが多くて、仲間に駅まで送ってもらったりして大変だったんですけど、今年はそういうことがない。遊び慣れたオラオラ系の人が減った代わりに、ホストとか、ゲイとか、若いマッチョの子とか、例年あんまり海に来てなかったような人たちが開花して遊びに来てるイメージですかね」

 ナンパの手口も、かなり控えめになっているようで……。

「今年あったナンパで印象的だったのは、『昨日ポルシェ買ってさ、近くに停めてるんだけど、見る?』っていう……。断ったら引き際も早くて、優しいお客さんが多いです。毎週末海に来てますけど、今年は殴り合いの喧嘩も見かけないし、救急車もまだ1回しか見ていない。平和だな~って思いますね」

20時頃の江の島海水浴場近くのコンビニの様子。音楽を鳴らして走る自転車が通った

 遊泳可能時間の17時を回り人もまばらになりだした頃、犬の散歩中だという地元住民が通りがかった。

「やっぱり去年よりは人が多くて活気がありますね。でも、遠方からの観光客が減ったせいもあるのか、元気のいい若者は少なめで、すごく静かで過ごしやすくなったと思います」