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「やっぱり私は医者なんだ」西川史子50歳が振り返る「年収4000万」への思い、タレント業を減らした“舞台裏”――2021上半期BEST5

西川史子さんインタビュー #1

2021/09/05

source : 文藝春秋 digital

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ, ライフスタイル, 働き方

note

医療についてわかりやすく情報発信する存在になれたら

――そもそも、なぜ医師である西川さんがテレビで活躍することになったのですか。

西川 直接のきっかけはホリプロの部長のスカウトでした。でも当時はバラエティに出たいとかタレントになりたいと思っていたわけではなく、医療についてわかりやすく情報発信する存在になれたらいいなと思っていました。でも結果的に、バラエティの方が楽しくなっちゃったんですね。

 

――つまり、芸能の仕事としてはまるっきり素人だったわけですよね。そのトーク力は一体どこから……?

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西川 私はただただテレビが大好きで、起きたらリモコンのボタンを「ポチッ」と押してたから、家族に「起きポチちゃん」と呼ばれていたくらいテレビっ子だったんです。『欽どこ』や『ひょうきん族』、ドリフ、松田聖子さん……。70年代~80年代に浴びるように見たテレビは全部がキラキラしていて。だから自分がそこに出させてもらうなら、何か役目を果たさなくちゃ、という思いはありました。

芸能活動は「趣味」。好感度なんか気にしなかった

――役目というのは、「毒舌キャラ」のことでしょうか。

西川 それはキャラというか、本当の気持ちを大げさに表現していただけで、全部本音だったんですよね。私には医者という本業があって、芸能活動やテレビに出ることは純粋な「趣味」なんです。だから好感度なんかを気にせず、正直に感じたことを話せた。同世代の女性たちが「これは変でしょ」と考えていることを「変だよね」とテレビで言えないと、私が出させてもらっている意味はないと思っていました。たとえば今なら小室圭さんの話題とかですね。

 

 ただその役目を果たさなきゃという気持ちが大きくなりすぎてしまった結果、ずいぶんキャラに食い殺されてしまったとは思います。

――心がけられていたのは、時代の空気を代弁する、みたいなことですか。

西川 そんな高尚な気持ちはないんですよ。ただ私が言いたいことを吐き出していただけで、私はたぶん普通の人なんです。有吉(弘行)さんからつけてもらったあだ名は「普通のおばさん」ですから。わあ、この人は本質を見てると思いました。