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「どんどん攻めてきて、でも私は崩れないから」

 自分のプレーに確固たる自信を持ちたい。そのためには練習しかない。コロナ禍で代表合宿が中止されたため、その間、所属のNECで毎日、コーチやチームメイトを相手に汗をかいた。男性コーチに強力なスパイクを打ってもらい、セッターには速くて強いトスを要求。もともと古賀が得意なストレート、クロス、インナーなどのコース打ちに磨きをかけた。体だけでなく、脳にも大量の汗をかいたという。

「数えきれないほどレシーブとスパイクの本数をこなしましたけど、ただ数をこなすのではなく、その一本一本に意思を込めたんです。例えばレシーブの時は、この手の角度だとどう上がる、この強さには腕のこの面が有効とか、あるいはセッターのトスにはこの助走だとこの角度にも打てる、ボールのこの面を打てば軌道がこう変わるとか、体に染み込ませながらボールにタッチしていました」

 体だけでなく、脳にも汗をかいた練習から生まれたのは、自信という武器だった。

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 3月に日本代表の合宿がスタートしたとき、中田は古賀の変貌ぶりに驚いた。

27日、セルビア戦での中田久美監督 ©JMPA

「自信を手にしたせいか、自分が日本代表を率いるという覚悟も見えた。私が紗理那に求めていたのはそこ。だから、副主将を任せた」

 古賀の変貌ぶりをコートで確認したのは、1年半ぶりの国際大会となる5月上旬の東京チャレンジマッチだった。対戦相手は世界ランク1位の中国。

 案の上、中国はサーブで古賀を攻め続けた。しかしこれまでのように崩れたりしない。古賀が笑いながら振り返った。

「“どんどん攻めてきて、でも私は崩れないから”って。ブロックを食らっても、“ああ、そう来たのね、じゃあ、次は別の手で攻めるから”と。劣勢になっても後ろ向きには一度もならなかった。むしろ燃えた」

 何より驚いたのが、試合中に古賀がほかのメンバーに指示を出していることだった。タイムアウトの時も、コーチの指示を聞きつつ古賀が会話の中心になっていた。