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自信なさげだった古賀の変化

 それまでの古賀はどこか自信なさげで、質問しても返ってくるのは主語と述語、もしくはワンセンテンス。明らかに取材が苦手な様子だった。それが、接続詞を多発しながら独演会の様相を見せている。

 古賀に何があったのかーー。その訳を知りたかった。

「確かにこれまでの自分とは違うかもしれません」

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 今年5月、古賀はそう言いつつ、照れ笑いを浮かべた。

「20年3月、コロナ禍で日本代表の合宿が解散になるとき、久美さんに“紗理那、このままじゃだめだよね”と言われたんです」

日韓戦、第3セットでスパイクを放つ古賀 ©共同通信社

 真剣な眼差しで言葉を続ける。

「久美さんの意図はすぐ理解できました。その時までの私は、コーチたちの指導を懸命にこなしていた。でも、本当にそれでいいのか、自分の意志はそこにあるのか、自分の頭で考えているのか、という問いでした」

 16歳で初代表入りし、木村沙織2世と言われながら、前回のリオデジャネイロ五輪では直前に落選。中田体制になってからもスタメンで起用されることが多かったが、試合途中で交代させられることが度々あった。

 エースは相手からサーブで狙われやすい。エースを標的にしてサーブを打ち続ければそのうちレシーブが乱れ、攻撃が単調になってしまうからだ。古賀も度々狙われた。

「19年秋のW杯までは自分に自信がなく、失敗すると“代えられてしまうかも”とびくびくしたり、ドシャットを食らうと、“次も止められてしまうんじゃないか”と怖気づいている自分がいました」