女性初の総務大臣や衆議院議院運営委員長を歴任してきた自由民主党の高市早苗衆議院議員が、8月10日発売の「文藝春秋」9月号に「総裁選出馬宣言」となる論文を寄稿した。政権構想となる「日本経済強靭化計画」の一部も披露している。
菅義偉政権の支持率低下が著しい。7月の各社世論調査ではのきなみ30%前後を記録し、昨年9月の発足以来最低を記録。政権の行き詰まり感がますます際立ってきた。
9月末には菅首相の任期満了にともない自民党総裁選がおこなわれる見通しだ。永田町では「ポスト菅」に向けた水面下での探り合いが活発になってきた。
そうした中、いち早く手を挙げたのが高市早苗氏(当選8回)である。
高市氏は「仮に菅内閣の支持率が1%になったとしても、その任期中は支え続ける」としながらも、「菅総理が力強い発信をできなくなっているのはなぜか。それは、自民党員や国民の皆様の十分な信任を受ける機会がなかったからだと思う」と指摘。昨年の総裁選は国会議員と都道府県連の代表各3人ずつによる簡易方式だったが、本来の「フルスペック」(投票権ある党員全員の投票による選挙)で総裁選をおこなうことの意義を強調する。
そして、「社会不安が大きく課題が多い今だからこそ、今回、私自身も総裁選に出馬することを決断した」と明言。今秋の総裁選への強い意欲をにじませている。
総裁選出馬にあたって、高市氏は政権構想「日本経済強靭化計画」の一部を披露している。「私は、国の究極の使命は、『国民の皆様の生命と財産を守り抜くこと』『領土・領海・領空・資源を守り抜くこと』『国家の主権と名誉を守り抜くこと』だと考えている」
そう基本軸を設定したうえで、大胆な「危機管理投資」と「成長投資」が必要だと指摘。