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 速度違反には違いないが、明らかな暴走行為と比べれば、危険度には明確な差が存在する。「より危険な方が捕まらない」という事態がままあることに対しては、ローマンさんでなくとも納得いかない思いを抱いている者は多いだろう。

ツーリング中に警察に遭遇し「何も悪いことしていないから大丈夫」と自分に言い聞かせるローマンさん(youtube動画より)

「仕事なくなる」日本の“厳しさ”

 ローマンさんの言う「厳しい」という言葉は、取り締まりが臨機応変ではなく、形式的なものに陥りがちであることを言い表している。速度超過を暗黙の了解として見過ごしているときもあれば、なかば強いられるような形での違反を「有無を言わさず」取り締まることもある。さらに、「厳しい」という言葉には「社会的なダメージの大きさ」という観点も含まれているようだ。

「日本の場合、速度違反で捕まったら罰金だけですみません。ポイントが引かれて、免許もすぐなくなります。その人が先生や医者なら周りからいい顔はされず、仕事にも影響が出るでしょう。

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 ロシアだったら? 今はわからないけど、日本語で……ワイロ? 『500ドル、これで忘れてください』で警察にお金払う、ですかね(笑)」

 運転に関わる職業はもちろん、社会的信用が重視される職業なども、免許を失効することによるダメージは大きい。にもかかわらず、いつ取り締まりの対象となるか知れない「速度超過」が常態化している日本の交通事情は、他国から見れば相当に特殊なものと言えそうだ。