当然、日本においてもクラクションで「怒り」を伝えるドライバーはいる。だが、どうやらアメリカやロシアでは鳴らし方に躊躇がないようだ。クラクションまでの時間が短く、鳴らす時間は長い。なんとも心臓に悪そうである。ともあれ、相手に自身の主張を伝えることへの抵抗感が、日本に比べて小さいのかもしれない。
日本の警察は「捕まえないけど厳しい」?
ローマンさんの動画内で、注目を引く反応のひとつに「警察へのリアクション」がある。ローマンさん自身はマナーよく運転しているにもかかわらず、パトカーや白バイを見ると「従順なドライバーになる時間」などと、ことさらに恐れおののく様子を見せる。
たしかに、外国で生活している際に警察と遭遇すれば、やましいことはなくとも身構えてしまうことは想像に難くない。一方で、「アメリカやロシアに比べれば、日本の警察はそこまで恐ろしくないのでは?」という偏見に満ちた疑問も生じてくる。
そんな日本の警察の特徴を、ローマンさんは「捕まえないけど厳しい」と評した。まず話題になったのが、「速度超過が暗黙の了解となっている状況」である。
「日本の制限速度は低いです。でも、日本人あまり気にしていません。制限速度が40キロの道でも、40キロで走ってたら沢山車が後ろから来ます。でも、警察もあんまり捕まえません。私も道路に出て、『そういうものなのか』と思うようになりましたが、免許を取ってすぐは驚きました」
とはいえこうした「暗黙の了解」は、明文化されたルールを持ち出された瞬間に破綻してしまう。「皆がやっている」からといって、速度超過の事実が消えるわけではないのである。
「制限速度で走っていると、よく『電車』みたいに(連なった状態に)なります。後ろの車がもっと速く走れと急かすような状態にもなりますが、速度超過したところに警察が来たら、一番最初の車、急かされた方が捕まります。その人はならず者だけど、あまりならず者じゃない。これは悲しいです」