「郷に入っては郷に従え」というように、私たちは異なる環境に身を移す際、しばしば自身の振る舞いを改める必要に駆られる。所変わればマナーも変わり、「当たり前」とされる振る舞いの違いに面食らうこともあるだろう。
「運転マナー」や「交通ルール」にも同じことが言える。SNSなどで揶揄される「名古屋走り」をはじめ、日本の地域間でも運転作法の差はしばしば取り沙汰されるが、国が変わればそれだけギャップも大きくなるはずだ。
自分たちが常識としている振る舞いが、「外側」から見てどう映るのか。外国人の目線から、TwitterやYouTubeで日本の道路事情や運転マナーについての動画を配信するロシア人、ローマンさんに日本の道路で驚いたことを聞いた。
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「30万? みんな驚きますね」
他国に移り住むにあたって、文化の違いが問題となる以前に、しばしばハードルとなるのが「法的な手続き」だ。ローマンさんが日本に来て最初に困ったポイントは、「運転免許の切り替え」だったという。
「免許センターに行くと、教習所に通わないまま試験を受けるのはやめてくださいと言われました。『テストはあるけど、あなたは何回も失敗するかもしれないし、時間もたくさんかかる、だから教習所に通ってください』と言われたんです。それで教習所に通うことを決めましたが、日本の教習所は高いです、授業料が30万円? アメリカの友達もみんな驚きます」(ローマンさん、以下同)
外国の運転免許を所持していても、日本で運転可能な免許に切り替えるには学科・技能の試験をクリアしなければならない(免除対象となる国を除く)。運転そのものに慣れていても、いきなり日本の道交法に則した採点基準に合わせて運転することは難しいだろう。