文春オンライン
「『男女平等』の考え方は欧米の思想に取り込まれている」ある日、突然の郵便物が届いて…

「『男女平等』の考え方は欧米の思想に取り込まれている」ある日、突然の郵便物が届いて…

私は宗教を否定しないが、差別を肯定したくない

2021/08/09
note

 女性の権利侵害などの問題について色々な媒体で書いていると、なぜかSNSやヤフコメ欄で「クソフェミ」「ブス!(?)」など罵詈雑言を浴びせられることが多々あり、まあそれについてはかなり慣れてきていて特に気にならないのだが、少し前に、思わず「え?」と困惑するできごとがあった。

某宗教団体の関係者から届いた荷物

 ある日、自宅のポストを開けるとパンパンに中身の詰まったレターパックが鎮座していた。「こんなものが届く予定、あったかな」と思いながら取り出してみると、それが異様に重たい。驚きながらレターパックの依頼主を確認すると、どうやら私が記事を執筆したことがある出版社からで、この時点で私は「あ、何か新刊が発売されて、その献本か何かかな?」と勝手に納得していた。物書きの仕事をしていると、本を発売した著者からこうした献本が送られてくることが頻繁にあるため、それであれば突然届くはずのない荷物が届くのも、まったく不思議なことではなかったのだ。

 しかし、結果的にその予想は大外れだった。その日の仕事が終わり、「ひと段落してから開けよう」とデスクの上に未開封のまま置いていたレターパックを開封してみると、ハードカバーの本が2冊と、クリアファイルに入った十数枚のA4用紙が出てきた。まず私の目が向いたのは、2冊の本の方だ。献本として送られてくる本は普通、新品であるはずなのだが、この2冊の本は、なんども読み返したのか、表紙がところどころ剥げてしまっていて、やけに古びているものだったのだ。

ADVERTISEMENT

 そしてさらに驚いたのは、表紙に書かれてある著者の名前だった。その道にあまり詳しくない私でも名前を聞いたことがある、某新興宗教団体の創始者の名である。予想外の事態の連続に頭の中が「?」でいっぱいになり、これが何なのかを探るために、今度はクリアファイルの方を手に取ってみる。

 A4用紙の一番最初のページの左上に、ふせんがクリップで止められており、「吉川さん宛に当社へ届いたものです。内容的にお送りする必要はないかと思ったのですが、上長から送るよう指示があったため、転送いたします。申し訳ありません……」の文言のあとに、出版社の社員の名前が記されていた。最後の「申し訳ありません……」の部分に、なんとなくものすごく嫌な予感がする。