大会関係車両で「お買い物」、「免税手続きのアシスト」まで!
8月4日の昼下がり、湾岸エリアの某ショッピングモールから出てきたのは、クレデンシャルを首にかけた中年の外国人3人組。手にはそれぞれ、大きく膨らんだ買い物袋を抱えている。さらに彼らの数メートル先を、五輪ボランティアの青いユニフォームに身を包んだ熟年の女性が先導していた。そして3人の外国人は、モールに横付けしてあった大会関係車両のアルファードに乗り込んだのだ。
一行が抱えていた買い物袋を預かり、リアゲートに詰め込もうとしていたボランティアの女性を直撃すると、
「彼らは某国(※実際は実国名)の大会関係者です。お土産を買いたいということでしたので、お連れしました」とのことだった。
そこで「みなさん、入国して15日以上経っているのですか? そうでなければプレイブック違反では?」と尋ねると、
「いつ来られたかは知りません。プレイブック違反? そんなことはないですよ。組織委からは、担当した方々のご要望には柔軟に対応するように言われています」との答え。これに思わず「それが、おもてなしってことなのでしょうか?」と投げかけると、彼女は「そうですね」と言って助手席のドアを閉じ、車は走り去っていった。
このショッピングモールから、買い物袋を提げて出てきた外国人と日本人ボランティアが、ともに大会関係車両に乗り込むという光景は、この後も30分のうちに2例目撃された。
さらに同モール内にある玩具量販店では、カリブに浮かぶ島国の名がプリントされたTシャツを着た外国人女性が、ボランティアユニフォームを着た日本人男性を伴って買い物中だった。彼女は20分近く店内を見回ったのち、メカ恐竜のプラモデルを購入。その際、男性ボランティアは、彼女のために免税手続きアシストするというおもてなしぶりだった。
「プレイブックは読んだことないです」
買い物を終えた2人が、モールの車寄せに待たせていた大会関係車両に乗り込む直前、「こうした外出はプレイブックで禁止されていませんか」と筆者が質すと、男性ボランティアはこう答えた。
「そうなんですか? プレイブックは読んだことないです。外出のルールについても、組織委からは説明されていません」