混迷を極めた東京五輪も残すところあとわずか。

 そんな中で各国の選手団や大会関係者で賑わいを見せているのが、複数の競技会場を擁し、選手村からもほど近い、湾岸エリアの大型商業施設だ。

お台場の商業施設には、お土産を買う五輪関係者の列がズラリ

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大会組織委自ら「バブル破り」に加担?

 同エリアのショッピングモールに入居する、家電量販店の店員が明かす。

「先週くらいから五輪関係のお客さんが増えてきて、今は全体の半数以上を占めています。特にうちは、アフリカや南米から来られた方が多い。アスリート体型の若い人から、重鎮風の年配の方までいろいろですが、みなさん帰国を前にして、家族や友人へのお土産を探しているようです。日本製ステンレスボトルを『在庫、すべてくれ』と言って、ひとりで24個も購入された方もいました。コロナ以前の賑わいを思い出しましたよ」

 お台場の大型商業施設・アクアシティお台場にある東京2020オフィシャルショップでは、クレデンシャルを首から下げた外国人らが両手に五輪グッズを抱え、レジへと続く長蛇の列を作っていた。

 

 しかし、コロナ禍で強行された五輪の感染対策として導入されたバブル方式では、競技を終える前の選手団や、入国14日以内の大会関係者の行動範囲は選手村や競技会場などに限られているはずなのだが…?

 大会組織委がアスリートやチーム役員向けに通知している現行の公式プレイブックにも、「宿泊施設を離れることができるのは、本邦活動計画書に記載した、大会公式会場と用務先リストに規定された限定的な場所に行くときのみです。許可される用務先は大会にとって不可欠な場所のみであり、新型コロナウイルス感染症対策が実施されます」と確かに書かれている。

クレデンシャルを下げた外国メディアの姿も多く目についた。彼らはみな、入国後15日以上経っているのだろうか?

 ちなみに厚生労働省結核感染症課は東京新聞の取材に対し「14日を超えて日本に滞在する(大会)関係者はほぼいない」としており、バブルを外れて自由行動が許されるのはほぼ、「入国15日以上経過し、かつ競技を終えた選手」か、メディア関係者のみということになりそうだ。

 ところが、筆者が取材を続けると、大会組織委自らが、「バブル破り」に加担している可能性が浮上した。