1ページ目から読む
3/3ページ目
バブル方式を国民に約束しておきながら...
大会関係者だという外国人女性によると、彼女はこの日で入国14日目。しかし前述のとおり大会関係者がバブルの対象外となるのは入国15日以降であり、1日のフライングだったわけだ。彼女は後ろめたさもあったのか、「私の顔や国の名前は出さないで。彼(男性ボランティア)のことも批判しないであげて」と英語で求められた。
彼女の言葉通り、筆者にはバブルを破る選手団や大会関係者、そこに加担してしまったボランティアスタッフを批判するつもりは毛頭ない。それぞれ大役を担ってやって来た五輪の開催地で、記念品のひとつも買いたくなるであろうし、それをかなえてあげたくなるのが人情というものだ。
ただし、バブル方式を国民に約束しておきながら、その崩壊を大会組織委が黙認しているとしたら――それは大きな問題だ。
筆者は8月5日、大会組織委の広報に「外国人関係者に対するボランティアスタッフによる闇おもてなし」について見解を求めた。しかし、8日午前11時までに回答は得られず、組織委としての立場は明らかにならなかった。ただ、組織委が五輪断行の条件として国民に提示した“バブル方式”の徹底は、土台無理な話だったということだけは確かだろう。