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ピンサロが生まれたのは1950年の大阪

 生駒氏がつづける。

「ピンサロの歴史は、1950年ごろに大阪のミナミでアルサロ(アルバイトサロン)が誕生して始まりました。それまでの風俗店と異なり前金の明朗会計システムで、安価なこともあって“本番なしの風俗業界”の嚆矢として人気が爆発しました。複数人とプレイができる“花びら回転”やコスプレの導入など時代に合わせて進化を続けて現在まで生き延びてきたんです。

 10年以上前、横浜にジンジンという“伝説の店”があったのですが公然わいせつで摘発されてなくなりました。ピンサロである種の"違法行為"が行われているのは事実なので、摘発について文句を言うつもりはありません。ただ、古くは吉原の遊郭などがあり、戦後のGHQ方針や売春防止法、取り締まり強化などを経てたどりついたのが今の風俗業界で、警察当局も普段は黙認していたわけです。

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 こうした風俗店が完全になくなればアンダーグラウンドに潜るかもしれません。働く人にとっては生活の手段ですし、いまや風俗産業は男性向けだけでなく女性向けも増えています。風俗産業が完全に死滅するまで締め付けるのが本当にいいことなのか……」

摘発を受けた巣鴨の「曙」には都のコロナ対策ポスターが Ⓒ文藝春秋

 異例の摘発を受け、ピンサロ業界ではいま戦々恐々とした空気が漂っているという。

「人気店ほど目を付けられやすいので、多くの店がこれまで以上に目立たないように商売しようという方針のようです。地域から敵視されれば通報されてすぐに摘発対象になるので、ゴミや騒音などで問題を起こすことはご法度。リピーターのお客さんを相手に細々と運営する、という声も聞きます」

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