コロナ禍、眠らない夜の街では、警察職員による乱交パーティーや、季節外れの歌舞伎町幽霊騒動など、様々な事件が起きていた。

 30年以上、新宿・歌舞伎町を「定点観測」してきた風俗ライター・羽田翔氏の『歌舞伎町コロナ戦記』(飛鳥新社)から一部抜粋して、コロナ禍の歓楽街で“起きていること”を紹介する。

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2020年12月4日 売春斡旋で警察職員が逮捕!

マニアが高じて「男女パーティー」を主催

  いろいろ、ツッコミどころ満載、かつ示唆に富んだ事件が起きた。11月27日、福岡県警は売春防止法違反の容疑で、県警小倉北署に勤務する44歳の職員の男性(懲戒免職処分)を逮捕した。同日の毎日新聞が伝えた。

 逮捕容疑は、SNSで知り合った女子高生が男性客ふたりに売春するのを知っていたうえで、ホテルを用意した売春防止法違反の疑いだ。容疑だけをシンプルに追えば、現職の警察職員が女子高生売春を斡旋した……という言語道断の事件なのだが、詳細を追っていくと奇妙な「事実」もまた見えてくる。

 実は、容疑者の男性は2017年頃から定期的に、「乱交パーティー」を主催しており、今回の女子高生売春斡旋(容疑)もその一環なのである。県警の調べによれば、容疑者は男性参加者から参加費を集め、その半分を参加女性に、残りの半分をホテル代や飲食費にあてていたという。

 通常、売春防止法で逮捕された場合、売春斡旋者は相応のギャランティを取り分として取っている。これは、(表裏を含め)風俗店においても同様だし、ことの良し悪しは別にして“女衒”(ぜげん)としては正当な報酬となっている。

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 しかし、この容疑者は調べに対し、自らが乱交パーティーマニアであることを認めたうえ、勤務状況などから他者主催のパーティーは参加が難しい、ゆえに自らが主催者になった……と供述しているのだ。要するに自己の欲求を満たすために、他者の利益を満たしていたというワケだ。この他者とは、報酬をもらう女性たちであり、パーティーに参加する男性客だ。