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《一緒に死のう》再起に失敗した男が線路に飛び下りた時、声を掛けてきたのは…話題の「怪談説法」がウケる理由

三木大雲『怪談和尚』がコミック化

2021/08/11

 京都の古刹、蓮久寺の三木住職の下には、今日もさまざまな相談や悩みを抱えた人々がやってきます。死者からの伝言、呪いのワラ人形、祟られた家……一般の人にはおよそ信じてもらえない、怪異な現象の数々──。

 三木住職が実際に見聞きした不思議な出来事を、仏教説法を交えて語る「怪談説法」。「コワイけど、泣ける」「お説法に御利益がある」と評判になり、『怪談和尚の京都怪奇譚』シリーズとして出版され、YouTube「三木大雲チャンネル」で配信もされています。この夏、『怪談和尚』としてコミック化もされました。

「怖~い話」+「仏教説話」の怪奇譚とは、一体どんなものなのでしょうか。話題のコミカライズ版から、「自殺志願者」の一篇をご紹介します。「いつか、あなたの身にも起きるかもしれない……」。

自殺するために樹海に入った男が出会ったもの

「もう首を吊ろう」──経営していた会社が潰れ、借金返済に追われた〈私〉は、死に場所を求めて深い森の奥へと入って行きました。

 森の中で最後の晩餐を終えた時、〈私〉が遭遇したのは……。

 ちょうど首を吊ろうとしていた年輩の男性でした。思わず「早まるな」と、止めてしまったのです。

「お互い鈍臭い人生ですな」

 自殺志願者同士、意気投合しました。

 いったん森を出て、我々は宿に泊まることにしました。温泉につかり、お互いの身の上を語り合いました。

「でも、名乗るのはやめておきましょう」

 そして4日目の朝、意外な出来事が……置き手紙とお金があったのです。