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別の新聞記者は「プライベートな情報をネタにすること以上に、今大会のテーマの1つに引っかかったことも大きかった」と解説する。
「東京オリンピックは大きなテーマの1つとして『ジェンダー平等』を掲げています。その“平等”の中には報道における男女の扱いの違いも問題になっていて、映像や写真、文章表現などについてもガイドラインが出ているほどです。女性アスリートについ使いがちな『美人アスリート』『ママさんアスリート』のような表現も注意が必要と指摘されているんです」
陸上界の外側に“見つかった”
世間的にもそうしたジェンダー問題への関心が高まったことで、増田氏の“いつも通りの解説”への評価がひっくり返ったのだという。
「増田さんの解説はプライベートなエリアでも容赦なくネタにしますし、女性アスリートに対しては料理や恋愛のようなテーマが登場することも多い。それが今回、陸上界の外側に“見つかった”というところでしょう。増田さんは57歳という年齢ですし古い価値観を持っているのも確かでしょうが、これまで陸上界では絶賛されてきたわけですから本人だけを責めるのも酷な感じはします。今後は小ネタの中でも特に恋愛に関わるものは封印されることが増えるんじゃないでしょうか」(同前)
これまで絶賛されてきたものが、一転して批判の対象になる。その意味で、増田氏の解説もいかにも“東京オリンピックらしい”現象だったのかもしれない。