声優・上坂すみれさんに聞く「ロシア革命100年 ソ連大好き」3連続インタビュー3回目。最後にお聞きしたのは好きな政治家、そして気になる日露外交の今後について。フルシチョフ愛からプーチン論まで、ウラー!
(全3回の3回目 #1、#2も公開中)
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ウラー三唱は、わりと自然にやっているんですけど……
――アニメ『ガールズ&パンツァー』ではプラウダ高校の副隊長・ノンナ役をされましたが、ノンナはまさにロシアキャラとも言うべき存在でした。上坂さんが希望して役に就かれたのですか?
上坂 いえいえ、普通にメインキャラクターのオーディションを受けたのですが、その役には決まらずにいたところ、どうもロシアキャラがいるらしいよ、というお話をいただきまして。ノンナは日本人なのに時々ロシア語を話すという「ロシアかぶれ」キャラ。ですから、私の分身みたいでした(笑)。
――発音が完璧でしたよね。『タモリ倶楽部』に出演されたときに披露されたロシア語にも、ロシア人の先生が感動していました。
上坂 いえいえそんな。ロシアの方が聞いて「まぁ、聞き取れるね」くらいのものだと思います。
――『ガールズ&パンツァー』では、エキストラの方にロシア語発音の指導もされたとか。
上坂 それは、本当に簡単なものだけ発音をお教えした程度のものです。例えばロシア語で突撃するときの掛け声「ウラー!」とか。「ラー」は巻き舌です、みたいなことですとか、「カチューシャ」というロシアの歌曲があるんですけど、正しい発音風に歌う方法をお話ししたりとか。
――「ウラー!」といえば、上坂さんはライブでも「ウラー!」をファンの皆さんと三唱されたりするそうですね。
上坂 ウラー三唱は、わりと自然にやっているんですけど、知らない人が見たら学生運動感満載ですよね(笑)。
アネクドート集とか好きで買って読んでます
――ロシア語は今でも勉強を続けられているんですか?
上坂 時間があれば勉強したいと思っているんですが、なかなか……。大学を卒業してから忘れ気味になっているので、文法書とか買い直しているんですけど。大学のときは、語学以外のソ連・ロシア関連の本を、ジュンク堂の奥のほうまで行って探していました。今でも、政治家列伝とか、ソ連のジョーク……アネクドートと言うんですけど、そのアネクドート集とか好きで買って読んでます。
――お好きなロシア研究者はいらっしゃいますか?
上坂 亀山郁夫先生の本はたくさん持っています。亀山先生のドストエフスキーに対する熱量は、読んでいるととても伝わってきますよね。ドストエフスキーに対する好きな部分、嫌いな部分、その両方を切り離せない感じで論じているというか。大家でいらっしゃるのに、研究への若々しい情熱を感じます。個人的な印象ですけど、ソ連の研究本にはクールなものが多いんです。「私の意見は挟みません」みたいな。でも亀山先生の本は、多分に先生の考えが書かれているので、読んでいて楽しいです。
――上坂さんにも研究者気質があるようにお見受けするのですが。
上坂 いやいや、私が書く本はだいぶ偏っていると思います、思想が(笑)。研究者になったら、すぐ炎上しちゃいそう。