滋賀県大津市の無職の少年(17)が、小学校1年生の妹Mちゃん(6)を暴行して死亡させた事件。

 文春オンラインはこれまで、Mちゃんや少年が児童養護施設で育ったこと、2人が母親と暮らすようになったのは4月からであったこと、そして事件当日まで母親が数日間家をあけていたことなどを報じてきた。

 さらに取材を続ける中で、再び母親に話を聞くことができた。その直撃取材で、Mちゃんと少年にはさらに2人の兄弟がいることが判明した。電話の向こうで何度も言葉に詰まりながら、母親は一家の複雑な家庭環境や子供たちへの思いを少しずつ語った。

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Mちゃんと母親が笑顔で写ったツーショットの写真

「7月22日から事件当日までは、仕事で借りている大阪の家にほとんどいました。すぐに帰る予定だったのですが帰れない日が続き、長男にある程度のお金は渡していたのですが心配になり、7月30日には近所の知り合いに頼んで様子を見てもらいました。お金が足りなかったら渡してほしいと頼んだら、1000円だけ渡してくれたそうです。ご飯も作り置きはしていましたが、長男に頼りすぎていたのかもしれません」

5度の結婚、4人の子供

――Mちゃんが倒れていた公園にはよく行っていたのですか?

「家から一番近かったので、よく行っていました。Mは他の子がたくさんいると、恥ずかしがって遊具で遊ばなかったので、行くときはいつも長男と私と一緒でした。ジャングルジムは『落ちたら危ないから絶対に登ったらダメ』と言っていました」

Mちゃんが倒れていたジャングルジム Ⓒ文藝春秋

――Mちゃんには17歳の長男の他にも兄弟がいると聞きました。

「私は5度の結婚歴があります。子供は17歳の長男と高校1年生の次男、それに6歳だった長女のMと3歳になる三男の4人です。長男と次男の父親が同じで、Mの父親は別の男性です。3歳の子どもの父親が、今の夫です。次男と三男は今も施設で生活しています」

――今年の4月から大津市内で一緒に暮らし始める前、Mちゃんと17歳の長男は児童養護施設で生活していました。児童相談所がお母さんによる育児は困難と判断していたとのことですが。

「その通りです。Mは生後8カ月から施設にお願いをしていました。大事に育ててくれた施設の先生たちには感謝しています。去年の3月に引き取る予定だったのが、コロナで1年延びて今年の4月から一緒に暮らすことになっていました。長男は小学校3年生から児童養護施設で育ち、私は親族から面会を止められ、海外に行っていることになっていました。それが今年になって長男が会いたがっていると聞いて2月に久しぶりに会い、4月から一緒に暮らすことになりました。『優しい子に育ってよかった』と思っていました」