女子中学生探偵が、空手部の後輩と不可解な事件に挑むマンガ「怪奇探偵・写楽炎」シリーズがにわかに話題になっている。著者は「現代怪奇絵巻」(『週刊少年チャンピオン』)、「恐怖博士の研究室」(『ミステリーボニータ』)などを手がける根本尚さん。
8月20日(金)に最新刊が電子コミックで発売された後、SNSで「こんな良質の本格ミステリコミックがあったとは」「正統派ミステリマンガの傑作」と反響を呼んでいる。
収録作品の中には、心霊現象が立て続けに起こる屋敷でのエピソードも。夏の終わりに読みたい、不気味な読み味になっている。
雨宿りした先は「降霊道場」という怪しげな屋敷
中学生探偵の写楽炎(しゃらく・ほむら)と後輩の空手くんは、市街地から離れた山中で激しい雨に降られてしまう。雨宿りのために慌てて入った建物には、「降霊道場」という怪しげな看板が。
2人に声をかけたのは、女子高生の赤川蓮子。今晩、この屋敷で「降霊会」が行われるという。蓮子は既に、不自然な泣き声や、白い影が横切るのを見聞きしていると話す。
蓮子に続いて、続々と姿を現す「降霊会」の参加者たち。中には心霊現象に懐疑的な者も。
降霊道場の主・丸山神鎮(まるやま・かむず)によると今夜の降霊会では蓮子の母・赤川沙倭子の霊を降ろすという。沙倭子の霊との対話は、蓮子の父・赤川武助のたっての希望だった。
死んだ妻の霊を呼びたい本当の理由とは
外はまだどしゃ降り。蓮子の厚意で、炎と空手くんは降霊道場に泊まることに。炎は一緒に入浴した蓮子から今晩の「降霊会」が行われる経緯について知らされる。
蓮子によると、死んだ母の沙倭子の趣味は宝飾品集め。かなりの貯金があったらしく、お金のありかを武助は聞き出したいらしい。降霊会には、沙倭子が入院していた病院の院長と、沙倭子が得意にしていた宝石商も参加する。
降霊会には、沙倭子が生前気に入っていた宝石「ターフェアイト」が「触媒」として使われるらしい。