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 また、茂木敏充さんは、外部事業者に情報収集を怒鳴りつけて依頼し、頻繁に朝の会議で呼び出しておきながら、いますぐ信頼できるデータを持ってこいと強弁するなど、カジュアルにパワハラをやってのけるナチュラルボーン威圧者としての風格を備えておいでです。

 今期で当選9回、本来なら文字通り総理候補として目され、重要閣僚の責務もしっかりこなす有能さの裏返しとして、その足元にはパワハラ被害者の皆さんが転がっていると思うと胸に迫るものがあります。本来ならば、今回の総裁選でも押しも押されもせぬ有力候補としてポスト菅最右翼であるべきところが、あまりの人望のなさから待望論がさっぱり立たないのもまた、パワハラのなせる業なのでありましょうか。

自民党パワハラ四天王、総じて評価は「優秀」だけれど

 自民党が誇るパワハラ議員は、いずれも「優秀」という評価が下っているのも特徴です。ワクチン担当大臣として河野太郎さんは何とか国民の負託に応える以上のワクチン接種を実施し、西村康稔さんも非常に多難な局面で矢面に立ちながら何とか役割をこなし、茂木敏充さんも重要閣僚として多国間安全保障を担う外交を率先してこなすかたわらアフガニスタン撤収についても一定の役割を果たしました。

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©️文藝春秋/©️JMPA

 ただ、それらの能力を発揮できた裏側というのは、粉骨砕身、政策の実現に努力してくれる優秀な官僚組織がパワハラにめげず無理難題をどうにか形にし、役割を果たそうとしたからこそだと思うんですよ。そういう政府の「足腰」はどうであるかを考えることなく、部下に強要したり、意見を無理押しすることでどうにか実現できた部分もあるだろうし、また官僚は官僚でおのおの考えがあり、賢さもズルさも併せ持つ存在であることを忘れて、平然とパワハラを繰り返すのはいかがなものかと思うんですよね。

 この四天王、ことあるごとにリーク記事を書かれて「誰だ、こんなのをマスコミに垂れ込んだのは」と激怒し犯人捜しを始めることもしばしばですが、胸に手を当てて考えていただきたいのは、なぜそういう情報提供がマスコミにあるのかということです。一口に言えば、嫌われているんですよ。

 総理総裁になりたいが一心で繰り出すパフォーマンスやネット受けだけでなく、もう少し、部下もまたひとつの人生を歩んでいる人間なのだということに思い致すことができるようになれば、おのずから、多くの人たちから求められて掌中に総理の椅子が転がり込んでくるものなのかもしれません。

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