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「ラ・ムーはデザインやビジュアルも含めた総合エンターテイメント」 菊池桃子の“埋もれた名曲”が海外で再評価されたワケ

「ラ・ムーはデザインやビジュアルも含めた総合エンターテイメント」 菊池桃子の“埋もれた名曲”が海外で再評価されたワケ

2021/09/17
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 海外で菊池桃子の若い世代のリスナーが増えていることをあなたはご存知だろうか?

 1984年に「青春のいじわる」でデビュー、80年代を代表するアイドルの一人として、今も根強いファンの多い菊池桃子。その楽曲に新たな角度からスポットライトが当たりつつある。40代より上の世代にとっては当時のアイドル歌謡のイメージが強い人が多いと思うが、海外の若い音楽ファンにとってはそうではない。竹内まりやの「Plastic Love」、松原みきの「真夜中のドア~stay with me」など、シティポップの名曲の世界的な再評価が進む中で、菊池桃子もその一翼を担う存在として注目を集めているのだ。

菊池桃子さん

アルバム収録曲の1曲が、今新たな代表曲に

 その証拠の一つとなるのが、ストリーミングサービスでの再生回数だ。

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 今年7月16日には、SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで、菊池桃子とラ・ムーの計180曲の配信が解禁された。そこから約2ヶ月が経過した9月現在、Spotifyで最も再生されているのは、3rdアルバム『ADVENTURE』(1986年)に収録の「Mystical Composer」という楽曲だ。

「Mystical Composer」

 

「卒業-GRADUATION-」などオリコン1位を記録した当時のヒットシングルを差し置いて、まったく宣伝もなく、CMソングへの起用などタイアップも無縁だったアルバム収録曲の1曲が、今、新たな菊池桃子の代表曲となっているのである。

 Spotify Japan コンテンツ統括責任者の芦澤紀子さんはこの状況をこう解説する。