「29歳になっても、他の女に生涯を誓った男についつい抱かれてたりする」
こんなパンチのある言葉から始まる不倫マンガ「悪いのはあなたです」は、「文春オンライン」で最新話を更新するたびにランキング上位に入る人気作品だ。流されやすい派遣OLの莉子(29)が一晩の過ちから泥沼不倫にハマるストーリーで、現在累計900万PVを突破している。
可愛らしい絵柄に反して、展開に容赦がない本作。創作過程や、不倫をやめられない登場人物たちの設定について、著者のふせでぃさんに話を聞いてみた。
「自分がされたらキレ泣きする」ことをマンガにしたらOKが出た
——なぜ今、不倫マンガを描こうと思ったのですか? きっかけなどございましたらお願いします。
ふせでぃ 担当編集さんからの「次は不倫とか、悪い恋愛を書いてみたら?」というご提案がきっかけです。世間でパパ活や不倫の話題が多い中で、私なりに考えてみたのが「悪いのはあなたです」のお話です。
——ふせでぃさんのこれまでの作品はハッピーエンドの恋愛が多い印象ですが、今回はかなり方向転換されましたね。
ふせでぃ はい、最初のネーム作りは大変でしたね。初期段階は普通の失恋や純愛しか描けませんでした。冒頭シーンも今とはだいぶ違いましたね。元々は、主人公が不倫相手の奥さんの口座に償いとして毎月3万円を振り込む描写から始まる予定だったんですよ。
でもあまりハマらなくて、担当さんからもなかなかOKが出ず…じゃあもういっそのこと、悪いやつにしてみようかなあって。反骨精神から「自分が主人公の立場だったらキレ泣きするな!」と思って描いたのが「悪いのはあなたです」の始まりです。世の中には色々なプレイがあると思うんですけど、流石に無断でこんなことされたら、泣きますよね?(笑)
莉子の不倫相手のツトムも、最初は良い人だったんです。でも悪人にした瞬間、キャラクターの動かし方が見えてきて物語が進みましたね。